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フェバル保管庫2  作者: レスト
剣と魔法の町『サークリス』 後編
101/279

69「ユウ、フェバルとして歩み始める」

 気が付いて目を開けると、綺麗なエメラルドグリーンの空が広がっていた。息を吸い込むと、心地良い草の匂いが全身に染み渡る。

 身体を起こしてみれば、目の前には果てしない草原が広がっていた。

 ラシール大平原――


「あっ。ユウ! 気がついたのね!」


 アリスの呼ぶ声が聞こえて、振り返る。

 彼女の向こうには、たくさんの人たちがいた。共にサークリスを守るために戦った人たちだった。テーブルが並んでいる横で料理を食らい、酒を飲み、和気藹々と語り合う姿が見えた。


「あなた、丸二日も眠ってたのよ」

「二日も?」


 駆け寄ってきたアリスに、驚くべきことを言われた。少し遅れて、ミリアもやって来た。


「お母様が予定を早めて、お祝いの野外パーティーを開くことにしたんです。多くの人が亡くなったけれど、こんなときこそ明るく笑い飛ばさないといけないって」


 言われてよく目を凝らせば、メイドのセアンヌさんの姿が見える。酒の飲めない人たちに、忙しくも楽しそうにユーフを運んでいた。主催席に座っていたテレリアさんは、目覚めた私の姿に気が付いて、大きく手を振ってきた。私も手を振り返して、それに応える。


「ってことは、結局何とかなったの?」


 最後あいつに攻撃を当てたところまでは、何となく覚えてるんだけど、その後気を失ってしまったらしい。何も知らなかった。


「ウィルなら、あの後帰っていったわよ。なんか勝ち逃げされたみたいでむかつくけどねー」


 アリスがちょっとむすっとした顔をすると、ミリアも同調した。


「ほんとですよ。何ですかあいつは」


 頬を膨らませたミリアは、しかしすぐに表情を戻すと私に微笑みかけた。


「まあとにかく、もうこの世界に手を出してくることはないと思いますよ」


 ――もうこの世界に手を出してくることはない。

 その言葉を聞いたとき、やっと重い肩の荷が下りたような気がした。

 そっか。私、みんなを守れたんだ。

 ほっとした私の様子が、伝わったのだろう。二人は頬を緩めて、温かい目で言ってきた。


「お疲れ様。今まで、本当にありがとう」

「ユウがいなかったら、私たちみんな、死んでいたかもしれません」

「ううん。みんなの力だよ。みんなのおかげだよ」


 私だけじゃ、どうにもならなかった。みんなで力を合わせたからこそ、守り切ることが出来たんだ。


「ま、それもそうよね。あたしたちみんなの力で、もぎ取った勝利よ!」


 高らかに胸を張るアリスの横で、ミリアは座る私の手を取った。


「行きましょう。みんな、待ってます」

「あ、ずるい! それいつもは、あたしの役割じゃない!」

「ふふ。そんなこと誰が決めたんですか」


 私は微笑み返すと、二人に手を引かれるまま立ち上がり、パーティー会場の真ん中へと向かった。そこでは、大勢の人たちに労いと感謝の言葉を贈られた。みんな傷だらけだったけど、本当に楽しそうだった。私は報われたような気分だった。


 ずっと何も食べてなくてお腹がぺこぺこだった私は、早速料理をいただくことにした。最初に目の前にあった大きな骨付き肉を手に取ってかぶりつこうとしたが、その前に周りを見て手が止まる。

 もう少し上品に食べないと、はしたないよね。

 肉を切るナイフとフォークを探すことにして歩き回っていると、偶然アーガスと鉢合った。彼の右腕は、もうすっかりくっついて、元通りの状態だった。彼がウィルと戦っているところを私は眺めていたから、何となく治っていたのはわかっていたけど、こうして改めて目の前で見るとほっとする。本当に良かった。


「ユウ。起きたのか」

「うん。もうばっちり」


 色々と無理をしたけれど、特に後遺症もなさそうだった。

 彼は私の目を見つめて、真面目な顔でお礼を言ってきた。


「仇討ち、最後に止めの役をくれてありがとな。お前がいなきゃ、奴を倒せなかった」


 それに対する私の返答は、決まっていた。

 ずっと自分を押し殺して、私を助けたり、みんなを守ることを優先して戦ってくれたアーガス。だからこそ私は、彼に望み通り勝たせてあげたいと思ったのだ。でも、そんなことを言うのは野暮だから。


「礼なんていいよ。一緒に戦ったから勝てた。それだけ。でしょ?」


 そう言って微笑みかけると、彼はしばらく惚けたような顔をした。やがて口を開いて、ぽつりと呟いた。


「……お前、少し雰囲気変わったか?」

「たぶんちょっとね」


「私」と一緒に、そう答えた。


 やっとナイフとフォークを見つけて元の場所に戻ると、食べようと思っていた肉に野獣のごとく豪快にかぶりつくカルラ先輩と、それを諌めるケティ先輩の姿があった。


「カルラ先輩。ケティ先輩」

「おっ、ユウじゃない! もう元気になったの?」


 仮面の女をやっていたときの暗さはもう全く感じさせない、すっかり元の調子に戻ったカルラ先輩が尋ねてきた。


「はい。この通り、ぴんぴんしてます」

「よかった。一人であんな奴と戦い出したときは、本当に気が気じゃなかったよ。よく無事だったね」

「危なかったですけどね」


 ケティ先輩の言葉に頷く。実際は数え切れないほど殺されたんだけど、あいつの気まぐれで結果的に生き返らされたから、まあ無事と言えば無事で済んだ。

 それから少し話した後、カルラ先輩が表情を引き締めて言った。その顔は思い詰めたものというよりは、己の決心を示すように凛としたものだった。


「わたしね、このパーティーが終わったら自首するわ。決して許されないことをしたし、まあ死刑になるかもしれないけど――最後まで罪を償って、彼に少しでも胸を張って会いにいけるように」


 そう言って、ちょっと切なげな顔をした彼女の目をしっかり見つめて、私は微笑みかけた。


「わかりました。たとえどこに行ったって、カルラ先輩は私にとって大切な先輩ですよ。応援してますから。刑務所は冷えると思いますけど、お身体大事にして下さい」

「――ありがとう。あなたたちには、本当に救われたわ」


 途中、セアンヌさんにアリス、ミリア、アーガス、カルラ先輩、ケティ先輩と一緒に約束の「とびきり美味しいユーフ」を入れてもらった。彼女の入れたそれは、本当にとびきり美味しかった。よほど良い葉と腕前が合わさらなければ、とてもではないがこの味は出まい、なんてつい評論家のように気取ってしまうくらい美味しかった。



 そう言えば、イネア先生はどこに行ったんだろう?

 お腹も一杯になった私は、先生の姿が近くに見当たらないことがさっきから気になっていた。それに、レンクスの姿もない。

 気になって、探そうかと思った。男に変身すれば気で一発でわかるのだが、さすがにこの大勢の前で変身する気にはならなかった。仕方なく女のまま、歩き回って探していると、ディリートさんを見かけた。


「ディリートさん」

「おお。ユウか。もう動けるのか」

「はい。もう大丈夫です」


 彼は髭をさすりながら、しみじみと言った。


「お互い、よくやったな」

「そうですね。ディリートさんの協力は、本当に心強かったです。ありがとうございました」


 剣士隊を一番に纏め上げ、オーブを真っ先に破壊し、みんなを守りながらウィルとも戦ってくれた。私との直接のやり取りはほとんどなかったけど、裏からこの戦いを支えてくれた功労者に、私は感謝を述べた。


「私としても、この老体が役立って何よりというものよ」


 そう言うと、彼はふっふ、と特徴的な仕草で笑った。


「ところで、先生がどこにいるか知りませんか?」

「ふむ。先生なら、あちらの方へアーライズ氏と共に向かっていったぞ」


 彼は、私にとって左斜め前の方角を指差した。

 ジルフさんと一緒に? 師弟で何か話したいことでもあるのだろうか。


「わかりました」


 改めてぺこりと頭を下げて、言われた方角へ歩いていくことにした。

 少し歩くと、遮る物の何もない草原の向こうに小さな人影が二つ見えた。かなり遠くて、何をやっているのかまではわからない。

 よし。


 遠くを見通せ。


《アールカンバー・スコープ》


 望遠鏡のように、見たいものを拡大してよく見ることの出来る魔法で、私は二人の様子を見てみることにした。すると――

 ちょうどそのとき、イネア先生がジルフさんに左手の人さし指と中指を差し出していた。

 それは、愛の告白を示すシミングだった。ずっと前に間違えて私がミリアに使ってしまって、そのせいで散々からかわれたからよく覚えている。

 ということは――

 間もなく答えは、明らかになった。ジルフさんは、左手のシミングで先生の指を握り返した。告白を受け入れた証だった。

 二人は抱き合って、熱いキスを交わした。先生の目からは、一筋の涙が流れていた。

 先生が泣いているところなんて、初めて見た。

 私は《アールカンバー・スコープ》を解除した。これ以上二人を覗くのは、気が引けたのだ。

 何となく普段の先生の口ぶりから、ジルフさんに対して、単なる師以上の想いがあるのは察していた。

 彼もフェバルである以上、またいずれこの世界を去らないといけないのだろう。それをわかっていて、二人は――

 本当に愛があるのならば、私も男や女として誰かを愛することは許されるのだろうか。たとえいつか去らねばならないと、わかっていたとしても。

 私にはわからない。だけど、愛するという選択をした二人のことは、心から祝福したい気分だった。

 どうかお幸せに。先生。



 ふと横を見ると、既に地に落ちた魔法大国エデルが見えた。そのふもとに佇む、小さな人影があるのに気付いた。再び《アールカンバー・スコープ》を使うと、エデルを見上げる特徴的な金髪の後ろ姿が映った。

 間違いない。レンクスだ。

 私は《ファルスピード》を使い、彼に駆け寄った。途中で私の接近に気付いた彼は、少し振り返って私の姿を確認すると、また前を向いた。

 彼のすぐ横まで行き、私は声をかけた。


「何をしてたの?」

「ん。こいつをどうやって後処理するか考えていたんだ」

「なるほどね」


 未知の魔法技術と恐ろしい軍事力を備えたエデルを残していては、後々までその力を巡って禍根を残すことになるだろう。ウィルによって不自然なプロセスで創り出されたそれは、どうしたって世界に歪みを生じてしまう、まだ早過ぎる遺産なのだ。


「――そうだな。地に埋めても、誰かがまた掘り起こすかもしれない。いっそのこと思い切って、宇宙まで飛ばしてしまうか」

「そうだね。それがいいよ」

「よし」


 彼が手をかざすと、エデルは再び浮き上がり始めた。今度は空で止まることなく、果てしなく上昇していく。見る見るうちに小さくなっていき、やがてすっかり見えなくなってしまった。


「ふう。一丁上がりだ」

「ほんとに何でも簡単に出来るんだね。レンクスって」


 素直に感心してそう言うと、彼は照れながら謙遜した。


「別にそんなことないって」


 エデルがあった場所に空いた大穴を、二人で見つめる。当たり前だけど、そこにはもう何もなかった。世界を脅かすものは、もう何も。

 ふと気になったので、尋ねてみた。


「レンクスはあとどのくらい居られるの?」

「俺たちは【反逆】で無理矢理ここに来てるからな。あと数日ってところだ」

「そっか」


 俺「たち」ってことは、ジルフさんと一緒に来たのかな。とすると、先生はあと数日しか彼と一緒に居られないということになる。三百年以上も会えなかったにしては、あまりにも短い再会だ。そして今度こそ、永遠の別れとなるのだろう。先生たちは、悲しくないのだろうか。

 そのときふと、ずっと前に先生が言っていた言葉を思い出した。


『私には、お前の境遇をどうにかしてやることは出来ない。ただ、これだけは言える。いつか別れのときが来たとしても。ユウ。お前から私がいなくなるわけではない。お前が剣を振るとき。私が教えたこと、私がこれから教えること。その中に私はいる。他の人だってそうだ。場所は離れても、心は繋がっている』


 ――もしかしたら、先生は、最初は自分にもそう言い聞かせて生きてきたのかもしれない。それが時が経つにつれて、いつしか実感に変わっていったのだろうか。

 心は繋がっている、か。今ならその気持ちが、少しわかるような気がした。みんなの心の温かさと力を、あのとき確かに感じた今なら。

 物思いに耽る私を見て、何かを思ったのだろうか、茶化すようにレンクスが言ってきた。


「なんだ。俺ならまたいつでも会えるぜ。これからもちょくちょく会いに行ってやるからよ」

「それはどうも。でも別にお前のことを考えていたわけじゃない」

「そうか――」


 しばしの沈黙が流れる。やがて口を開いたのは、彼が先だった。


「それにしてもお前、本当に大きくなったよな。ユナに似て、綺麗で可愛らしくなった」

「やっぱり母さんに似てると思う?」

「おう。目元や顔つきがそっくりだぜ。なあ、また少し抱っこさせてもらってもいいか」

「なに抱っこって。私はもう小さな子供じゃないよ」

「まあまあ。いいだろ。愛してるぜ!」


 彼はにやにやと気持ち悪い笑みを浮かべながら、私に抱きつこうと近づいてくる。これはどう考えてもいかがわしい方の愛だ。私はその顔面に、約九年ぶりとなるストレートを、懐かしさも乗せて思い切り叩き込んでやった。


「くっつこうとするな。変態」

「いいパンチだ。まさしくユナ級だぜ」


 彼は鼻の頭を真っ赤にしながらも、嬉しそうににやけていた。

 ダメだこいつ。色々と終わってる。


「母さんにもこういうことしてたの?」

「いや、あいつにはそんなにする勇気がなかった。そもそも告白すらずっと出来なかったしよ。なんたってあいつ、怒らせると怖えからな!」

「はは。言えてる」

「その点お前は、なんだかんだ優しいから、欲望を素直に出しやすいというか」

「あんまり調子に乗ったら、今度は急所蹴るよ」


 じと目で睨みつけると、彼は楽しそうに笑って「へいへい」と頷いた。ほんとにもう。


「そうだった。お前に渡し物があるんだ」


 彼は思い出したようにそう言うと、懐から掌サイズの銀色の丸時計のようなものを取り出した。蓋には天使のような美しい翼が、左側だけ彫られている。


「なにそれ」

「世界計だ。この世界についてはもうどうしようもないが、次からはそいつと一緒に世界を渡れば、移動先の世界での大まかな滞在可能期間を計算して教えてくれる。かなり頑丈に作ってあるから、そう滅多なことじゃ壊れないぞ」


 世界計か。聞くからに便利そうなアイテムだった。なんかこういうものを見ると、いよいよ私もフェバルの仲間入りかって感じがする。


「へえ。わざわざありがとう」

「いいぜ。ちょっと遅れたからな。それくらいのことはしてやらないと。ちなみに俺のとお揃いだ」


 彼はにっと笑って、自分の世界計を取り出した。確かにデザインがそっくりな上に、対照的だった。彼のは翼が右側だけ彫られている。


「ちょっと蓋を重ねてみてくれ。驚くから」


 少し嫌な予感がしながら、言われた通り私のと彼の世界計の蓋を重ねようとすると、翼が完全になるようにカチリと嵌まった。するとそこから、何らかの術式が発動し、それはもう鮮やかなピンク色のハートマークの光が宙に浮かび上がった。さらに横には、日本語で「愛するユウへ」とまででかでかと書かれていた。誰も日本語を読める人がいないのが幸いだが、恥ずかしいと言ったらない。


「どうだ。中々ロマンチックだろ」

「しね」


 私はにっこりと笑い返しながら、そう言った。



 しばらくの間、彼との思い出や今までのことを話し合った。離れていた九年間を取り戻すかのように、久しぶりの会話は弾んだ。本当に楽しかった。

 やがて話題は、フェバルのことに移った。

 あのとき彼がなぜ何も教えてくれなかったのか。その真意を知ることになった。


「フェバルのことなんだがな。あえて俺はほとんど何も教えなかった。こればかりは、あらかじめ言葉で押し付けずに、自分で感じて欲しかったからだ」


 彼は私の目を見つめて、問いかけるように尋ねてきた。


「どうだ。フェバルになった感想は」


 問われた私は、胸に手を当てて目を閉じる。気持ちを整理する。


 決して死ねないという運命を知ったとき。星々を永遠に流され続けるという運命を知ったとき。

 私は絶望した。そうなる前に死んでおけばよかったと思った。

 でも今は、そうは思わない。

 フェバルにならなければ、みんなとは出会えなかった。この力がなければ、みんなを助けることは出来なかった。「私」も存在しなかった。

 この先、辛い別れが数え切れないほどやって来るだろう。

 だが、それと同じだけ素晴らしい出会いが、星の数だけあるとしたら。そしてみんなとの思い出は、いつまでも心の中で生き続けるのだ。それはとても素敵なことじゃないだろうか。

 あれから、ずっと考えてきた。

 私の生きがいとすることが、何となくわかってきたような気がする。

 それは、ここまで過ごしてきた日々の積み重ねからぼんやりと見えてきた、本当に何でもないような答え。

 旅を楽しむこと。行く先々の世界の人たちと、かけがえのない繋がりを結んでいくこと。

 この二つの身体と心の力は、きっとそのためにある。

 私は、世界と関わるフェバルになろう。人と交わるフェバルになろう。

 それが私の生き方。私の生きる道。


 私は目を開けると、彼の目をしっかりと見つめ返して答えた。


「悪くない――うん。悪くないかな」

「へへ。そうか――俺もそう思うぜ」


 レンクスは私に同意して、穏やかに微笑んだ。

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