母
怖いものはやはりどうやっても怖い。
拭えるものならとっくに拭っている。
どうして時は進むのだろう
神様は優しくて、しかし残酷だ
この温もりを与え、それから奪いとってしまうのだから...
不意に甘えたくなって寄りかかった母の背中。
歳をとって、痩せた背中は少し骨ばっていたけれど、柔らかくてほんのり温かかった。
「どうしたの」優しい笑いを含んだ母の声
「ううん」そう言って私は暫く動かないでいた。
「なんでもないよ」震えた声に気づかれませんように。
離れた背中についた染みも分からないように。
いつかは消える...




