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 歌詞

「瓶に挿した花。」

作者: 星村 哲生

 季節の変わり目 変わり映えのしない毎日

 開け放った窓からはいつもと同じ 海からの湿った風

 ベランダの右隅には ガラスの瓶と枯れた花

 君と一緒にいたときは 窓際に置いて

 欠かさずに 咲かせていたのに



 ガラス瓶に挿した花

 道ばたの 折れた花を見て君は言う

「折れた花を見て悲しむのは 一方的な感情移入だって

 本に書いてあったけど」


 言いながら君は 花を瓶に挿して窓際に飾ってくれた

「こうすれば 折れた花じゃなく 摘んだ花でしょ」

 君はそう笑ってた

 そんな言葉も 今は遠くに感じるよ



 ガラス瓶に挿した花

 君との思い出も 折れたときに戻ったよ

 君の 強さが 飾り気のない優しさが

 僕の心に 満ちていたのに

 今は 空っぽになったよ



 気がつくと いつもの散歩道

 君と夢を語り合った道 一人で歩くと感じるのは

 どこを見ても 探しても

 色の無い空 匂いの無い風

 まるで瓶の底を ぐるぐる回っているようだよ



 ガラス瓶に挿した花

 君と一緒に 歩いて行けたなら

 どんな景色も 広がっていったのに


 今は君との思い出を なぞる事しかできないよ

 でも わかったんだ 君が気づかせてくれたんだ

 答えは最初から 君が言ってた事なんだ



 ガラス瓶に挿した花

 君との思い出は 君が教えてくれてた事

 折れたんじゃなくて 君が摘んでくれていたんだね


 花が枯れるのは さみしいけど

 枯れない花は 花じゃないから

 枯れても土に 根を残してくれるから



 ガラス瓶に挿した花

 君と一緒に飾った花は 枯れてしまったけど


 花は土に還そう 瓶は洗って乾かそう

 君との思い出が残せるように

 道に咲いた 新しい花を挿せるように



「もう一度、花を探そう。」

 「花の名前」と対になるように考えて書きました。

 大事な物を失った時の喪失感は何度味わってもつらいものですが、そこから立ち上がれる強さを人は持っていると思います。

 歌詞投稿サイト「うたまっぷ」にも投稿していますのでそちらの方もご覧ください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「花が枯れるのは さみしいけど  枯れない花は 花じゃないから  枯れても土に 根を残してくれるから」 このフレーズ好きです! 世の中には「枯れない花はない」みたいな歌詞が溢れています…
[良い点] 短い詩なのに、 情景描写や心理描写が豊かに表現されていて… 更にエピソードまで盛り込まれていて… 二人の関係性や主人公の気持ちが、リアルに伝わってきます。   "まるで瓶の底をぐるぐる回っ…
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