君と出会うその日まで僕は死ねない
いつからだったか
こんな無防備な夢を描いたのは…
噂で聞いた物語。
知り合いに聞いても知ってるものは居なかった。おとぎ話と言われた物語。
そんな物語に僕は心を奪われてしまったんだ。
――とある日。
こんな熱々しい日々が段々と消え失せ、寒くなった時。突如として辺り一面が真っ白に埋め尽くされる――
この暑くて眩しい日々が消える日が来るのかと
辺り一面が真っ白になるのかと
僕は胸を踊らせた
「…早く来ないかな?真っ白さん」
でも、でもね。
皆そんな日は来ないって言うんだ。
だけど、だけどね。
僕の心は真っ白さんの事だらけなんだ。
会えないって言われても諦める事は僕には出来なかった。
皆はこんな熱々しい日々が好きだと言うけど、
僕は早くこんな熱々しい日々が終わってほしいと思う。
だって真っ白さんがやってくるのはこんな熱々しい日々じゃなくて、寒くなった日だから。
そんな心を抱えながら
僕は今日もこの眩しいぐらいの日々を過ごしてる。
そんな時また別の噂話を聞いたんだ。
僕は何も考えられなくなった。
本当は分かってた。
けど、それは、
それを分かってしまったら、
僕は…
――僕たちはこの熱々しい日々しか生きられない――
言わないで…。
僕から夢を奪わないで…。
僕の夢
そうそれはもちろん真っ白さんに出会うこと。
でも…僕はこの熱い日しか生きられないし、逆に真っ白さんは寒い日しか生きられない。
「僕は真っ白さんに会えない運命なの?」
どうして。
嫌だよ。
嫌だよ。
ねぇ、なんで?
なんで僕は真っ白さんに会えないの?
こんなにも会いたがってるのに。
ねぇどうしてよ…。
ただ胸の中で響く
こんな無防備な夢をいつまで僕は見続けるのだろうか?
僕自身も飽き飽きし始める。
「あぁ~早く捨てろよこんな夢。どうせ叶わないんだから」
”叶わない”改めて突きつけられた現実。
僕自身の言葉で僕はダメージを受ける。
「叶わない?そんな事言わないで…」
辺りは熱い日々を終えようとしている頃。
僕の周りの皆が段々と動かなくなる。
「噂は本当だったんだ」
分かってた。
分かってたけど、嘘で合ってほしかった。
でも、この噂が本当なら真っ白さんがいるのも確実性が増す。
だけど、その日まで僕は生きられない…。
「僕はその日まで生き続けてやるさ」
信じ続ける事しか僕は出来ない。
ならば、僕は全力で君と出会うその日まで生き続ける事を信じるのみ。
どれだけ本音が違っても、
叶えたいと会いたいと思ってるのならば。
周りの皆が確実に萎れていくのが分かる。
そして僕自身も萎れている。
でも、大丈夫萎れてるだけ
僕はまだ生きてる。
だから大丈夫。
僕は真っ白さんに会える。
絶対、絶対に。
辺りは何故かまだ熱い日々が続いている。まるで僕が真っ白さんに出会う夢を邪魔するみたいに。
そして萎れていた周りの皆の時が次々に止まり始める。
大丈夫。大丈夫。
もうずっと下しか向いていないけど、
もう上を向く力が残ってはいないけど、
それでも僕はまだ生きてる。
真っ白さんに会える事を信じながら、
僕は今日も生きている。
いつしか周りの皆はいなくなって、
僕だけになった。
「君と会えると思えばこんなのへっちゃらさ」
寂しくなんてないよ。だって僕はいつか出会う真っ白さんの事を待ってる。
待ち合わせをしてるから。
真っ白さんの事考えるの楽しいんだ。
「早く迎えに来て」
僕は自分自身の事を悟った。
もう長くないと。
だい…丈夫。
僕は…
まだ…
生きてる。
僕は…
会える。
絶対…に。
もう僕に力は残っていない。
辺りを見渡すことも、
辺りの暑さを感じることも、
もう僕は出来なくなっていた。
僕の背はもうすっかりお辞儀をしている。
ずっと
「僕はまだ君に会っていない
君に出会うまで僕は死ねない」
死ねないんだよ~
僕は心の中でそう叫びながら、息を絶った。




