第21話 祖母
第21話 祖母
祖母の話をする柳井。
果たして、祖母はどんな人生を送ったのだろうか...?
僕が柳井さんの話を聞いて引っかかったこと。
今分かった。
柳井さんは、『自分が産まれるまで柳井家は、霊との繋がりがなくなった』と言っていた。
そんなものだろうか。
家に視える人がいなくなった。それだけだ。
でも、柳井さんの祖母を呪殺した悪霊はまだいるはずだ。
それに、霊媒師という仕事柄、亡くなったことで霊との繋がりが消えるとは考えにくい。
何があったのかは、この後の柳井さんの話を聞けば分かることなのだろうか。
柳井「実は、私の祖母というのは霊媒師の中でも珍しく、個人でありながらユタ並みの霊力があったそうです。」
「ユタって、あの沖縄の?」
柳井「そうです、そんな霊媒の才があった祖母は、
個人的な霊媒師を始めました。」
柳井「とは言っても、最初のうちはやはり上手く行かなかったらしいですよ。」
柳井「まぁ、霊媒師を個人で成功させるなんて、とてつもない実力が無い限りは難しいでしょうね。」
柳井「でも、祖母は成功させたんです。なにか大きな仕事をしたわけではないんです。ただ、少しずつ、確実に。仕事をこなしていったんです。」
柳井「すると、祖母にはいつの間にか、大勢の協力してくれる人が出来たらしいです。」
柳井「そんな中、祖母はとある男性と出会いました。」
柳井「それが、直に私の祖父になる人、柳井香月なんです。」
香月「緑?」
緑「んん?どうしたぁ?」
香月「いやなに、霊媒の依頼、結構来てるなぁって。」
緑「最近はかなり名も売れてきたからねぇ。」
香月「緑はすごいよなぁ。僕だったら『視える』なんて怖くて嫌になりそうだ。でも、緑はすごい。だって立ち向かえるんだもん。あんなに怖いやつらを相手に出来るなんて、僕なら精神が病んじゃうよ。」
緑「そんな大したことじゃないよ。産まれつきだから慣れてるだけ。」
香月「そうかなぁ」
香月は少し不満そうに相づちをする。
緑「そうそう。現に香月だって...」
ガタンッ
香月「なんだろう?」
緑「しっ、何か入ってきた。」
緑は香月のほうを向き、人差し指を口元で立てる。
香月はそれに三回、頭を縦に振ってうなずいた。
緑は経典と札を手にする。
ガラガラッ!
部屋の扉が勢い良く開く。
その瞬間、緑は札を突きつけ、読経する
刹那、大絶叫と共に緑の持っている札が青く光る。
緑「香月?おーい。」
香月「...うん?」
緑「終わったよ。」
香月「!?、大丈夫!?怪我はない!?」
緑「大丈夫っ!私を誰だと思ってるのさ」
緑は満足げに腰に手を当てる。
香月「ふふっ、それもそうだね。」
平穏な日常、とは言いがたいが、香月と緑は上手くやっている。
お互いを尊重し、二人力を合わせて暮らしている。
一般的とは違う環境の二人だが、
ゆっくり、静かに。幸せに暮らしている。
いやぁ、香月、緑編的な感じのものが始まりましたねぇ。




