第13話 祠と狐
第13話 祠と狐
珍しく寄り道を提案する柳井。
言われるがまま着いていくと、そこには小さな祠があった。
しかしソレからは異常なほどの禍々しい何かを感じる。
果たして、祠の正体とは...?
放課後、柳井さんと学校を出て帰路に着こうとすると、こんなことを言われた。
柳井「今日は少し違うルートを通って帰っても良いですか?」
「いいけど、どうかしたの?」
柳井「着いてからのお楽しみです!」
「へぇ...」
柳井「それじゃあ行きましょうか!」
「うぃ!」
ーー10分後ーー
柳井「ここです。」
柳井さんが指をさす。その方向に目をやると、道端に佇む小さな祠が見えた。
柳井「分かりますか?」
「...うん」
なんなんだこれ...
見ているだけで吐き気がしてくる。
柳井「これ、なにかとんでもない力を持ったモノが封印されている祠なんです。けれど、前々から妙な気配を感じるようになって...多分ですけど、封印が破られかけてるんじゃないでしょうか。」
「でも、封印されていてこれなら...かなりまずいんじゃない?」
今、僕らはその祠から6m程度離れている。
しかし、正直これでも近すぎると思っている。
「あまり近くにいると体調を崩しそうだし、今日は一旦帰って作戦を立てようか」
柳井「そうですね。私も少し気分が悪くなってきました。」
祠へ続く道から、通常の通学路に戻る。
いや、戻ろうとした。でも、無理だった。
「こ~れ~は~?」
柳井「...まずいことになりましたね。」
どれだけ歩いても先程まであった分かれ道がなく、
着くのは小さなあの祠。
???「う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛...」
祠から唸り声が聞こえてくる。
僕は札を握りしめ、柳井さんは小さな自作の経典を開く。
ガタガタと音を立てて、祠が揺れる。
嫌な汗が頬を伝う。
やがて祠の揺れは勢いを増す。
それと同時に、辺りが霧がかる。
開く。
祠が開く。
揺れが、止んだ?
いや、違う。
気配はより一層増している。
そして、祠の窓が開いている。
どこだ?
どこにいる?
すると、奥の霧から二つの光がうっすらと見えてくる。
一瞬だった。
僕は、地面に寝そべる形になっていた。
押し倒されたのだ。
獣だ。
真っ黒い獣。
熊か?いや、狐?
狐にしてはサイズがデカすぎる。
ただ見た目が狐そのものだ。
その黒い狐らしきモノは左前足で僕の胴体を地面に押さえつける。
黒狐「小僧、貴様かなり強力な霊力を持っているな?」
「離っ...」
柳井「っ!!」
柳井さんが黒狐に札を押し付ける。
黒狐「ぬお!?」
バタンッ!!
黒狐が体制を崩し、横に倒れる。
耳が垂れ下がり、ぐたっとしている。
黒狐「くっ...私としたことが、封印のせいで余力が無くなっていたのか...」
黒狐「こんな小娘の札にやられるとは...」
柳井「思ったより喋りますね。」
確かに
柳井「そんなことより渡くん!怪我はないですか!?」
「うん、大丈夫。」
柳井「良かったぁ。ちょっと貴方!!なんで急に襲ってくるんですか!!」
黒狐「こいつの力を吸い取ってやろうと思ったのだ。それにしても小僧。貴様人間のくせに上質な霊力を持っているな。」
柳井「ダメですよぉ!渡くんには私が予約いれてるんですからぁ!」
「そんなことより、お前、これ以上暴れるようであれば、今ここで祓ってやるが?」
黒狐「チッ...まぁいいか、よし!屈辱だがこのままでは私に勝ち目はない。そこでだ。仕方がないからお主たちの力になってやっても構わんぞ」
「どういう風の吹きまわしだ?」
黒狐「どうせお主らのことだ。その霊力を妬む者共に狙われかねん。そこで私の出番だ。私がお主らに力を貸す。そしてお主らが霊を拘束したところで私がその霊を祓う。霊が霊を祓えばその霊の霊力は強くなるからな。」
霊と言う単語がゲシュタルト崩壊しそうだ。
黒狐「どうだ?悪くない提案だろう?」
柳井「どうします?渡くん。」
「そんなこと言って...本当に襲ったりしないんだろうな?」
黒狐「あぁ、それは守ろう。実際、私の封印が解けたのはお主の霊力のお陰だ。その礼でもあるのだ。」
少し考える。
こんな簡単に受け入れていいものだろうか?
まぁ......なんとかなるかっ
「わかった、いいだろう。」
黒狐「それでは契約成立だな。」
とまぁこんなことが昨日あったわけだが。
ーー授業中ーー
黒狐「まったく...同じような服装のやつらがずらりと並びおって気持ちの悪い。あぁつまらん。」
黒狐「もっとなにか面白いことはないのかァ?」
黒狐「おい!聞いてるのか小僧!返事しろバカタレがッ」
「先生、ちょっとトイレに行ってきますね。」
鬼塚「あぁ、分かった。」
ーートイレーー
よし、人はいないな?
「うるさいんだよお前ぇ!ちょっとは大人しく出来ないのか!?」
黒狐「だって暇なんだもんッ」
「子供か」
そんなこんなで、黒狐の出現により日常はさらに騒がしくなったのだった。
いやぁ、新キャラ登場ですよ。
ちなみに次回はさっそく黒狐の活躍が見れるかも...?




