表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/108

37話 帰宅

 従者続投が決定し、ほくほくしながらお手手繋いで(ディーが離してくれなかった)帰宅。


 鍵を開けて元気に家に入る。

「たっだいまー! ……って、ディー、埃っぽい……」

「ずっと留守にしていたからな」


 あぁ、やっぱり。


「掃除するから、ちょっと待っててください!」

「ああ」


 魔法で埃を外に出し、窓を開けて空気を入れ替える。

「いつ見ても見事だな」

「掃除系は凄く自信があります! 魔法最高! 向うに戻っても使えたらいいのにー」

 本当の本気でそう思いますよ!

 いくら機械があって便利な日本だと言っても、魔法の便利さには叶わない!

 向うに戻っても魔法が使えるなんてミラクル起こらないかなー。



「向うに、戻る…?」

 呆然とした声に振り返ると、ディーのきつい視線がわたしを見下ろしていた。


「え、えと? ディー…?」

 思わず後退さる前にディーに掴まり、抱き上げられる。

 こ、怖い顔のまま抱っこしないでください~!

「どこに、戻るというんだ? あの屋敷がそんなに良かったのか? それともイストーラに…」

 ディーは正面を向いて歩きながら、わたしに質問してくる。

 質問…というよりは、自問?

 それも明後日の方を向いた自問だ、こ、これは危険?

「ディー? でぃしゅれいさーん?」

 ちゃんと名前で呼ぶと、やっとこっちに意識が戻ってくれたっぽい。

 視線を合わせることができた…けど。


「リオウ……」

 熱っぽく眇められた目が、危険…っ。




「んーっ!!」

 唇を塞がれて、攻撃的な舌が歯列を割ろうとするのを堪える。

 ぐぐぐっと押し切られそうになるのを、ディーの顔を両手で押さえて阻止する。

「ん!ん!ん!!」

 またいつもの、魔法の効果を無効にする(?)為の体液の摂取ですか?

 なぜこのタイミングで!?


「んぁっ…!」

 必死で押さえていた手を簡単に外され、びっくりした瞬間、歯列を割って舌が進入してくる。





 深く、深く、深く、深く……




 いつも思うんだけど……こんなに、ディープにする必要あるんだろうか…。

 もういっそのこと、血を飲んでください…。


 途中から抵抗を諦めて、ディーのするがままに任せる。





「………ディーの…馬鹿」

 たっぷり時間を掛けたキス…いえいえ、体液の受け渡し? のせいで、すっかり腰砕けですよ。

 恨み言の一つや二つあたりまえです。

 

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ