表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/108

33話 メイド 4

「おまえ…ホント、あんなこと言った後で、良く来れるな…っ!」




 あれから3日後のオルティス様の部屋で、美味しく夜食をいただいています。


「でも、オルティス様だって、取っておいてくれてるじゃないですか。 ありがとうございますー」

 あぁ、今日のご飯も美味しい! ビバ、料理長!!

 願わくば、わたしたち下っ端の食事にも力を注いでください!!


 満面の笑顔で食事をしていると、重いため息が聞こえる。

 気分が不味くなるから、やめて欲しいです。



「…この前、お前が言っていたこと…。 あれが、民の意見なのか?」

 ぽつりとオルティス様が零した問いに、首を傾げる。

「さぁ?」

「さぁ、ってお前!」


 色めき立つオルティス様に更に逆側に首を傾げてしまう。


「あれは、わたしの意見。 戦争、嫌いですもん。

 ニホ…ええと、わたしが産まれた国でもわたしが生まれるより前にね、戦争があってね、沢山の人が死んで、沢山の人が悲しんで、至る所焼け野原になって、人がもがき苦しみながら死んだり、敵に捕まるのを悲観してみんなで自決したり……何人もの人が戦地に送られて、歯を食いしばって戦って、多くの人が帰ってこなかったの。 彼等は何のために、戦ったのかなぁ」




「………わたしならね、命を掛けるなら、家族や大切な人を守るためだなぁ…」





 食事の手を止めて、自分の両手を見つめ。

 視線を感じて顔を上げる。



「ねぇ、オルティス様は、何になら命、掛けれる?」







 結局、オルティス様から答えを得ることは無いまま、部屋を辞した。

 士官学校の生徒なら、脊髄反射で”国”って言えなきゃだめじゃないのかなぁ。

 

 


歸国きこくを観たり等々ありまして、色々思うところがありましたので、手直ししました。

戦中の悲惨さに撃沈しました・・・、忘れてはいけないことが、たくさんたくさん在ると。 H22.7.15

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ