24話 台所
太陽が真上まで来たので、ちょこっとつまみ食いしに、台所に戻ってびっくり…。
「冷凍箱から冷気駄々漏れ…」
使った箱の密閉性が低かったのが敗因です。
箱の周辺が白く霜ができてます、近づくと大変涼しいです。
冷蔵箱は造りが違うらしく、きちっと密閉されてて、いい感じなのに。
まぁ、電気代を食うということは無いから良いけど…。
箱を開けると、ギンギンに凍った果物が。
試しにひとつ食べてみると、固くて歯が立たなかったが、口の中で溶かしながら食べたらすっごくおいしかった!!
調子に乗って、全部食べたのは言うまでも無い!
機密性の高い箱のありかなんて知らないので、隊長が帰ってくるまで、このままだなぁ。
と言いながら、折れてるナイフで、果物を切って、また冷凍箱に入れておく。
さっきよりも小さめに切って、アイスキャンディー風に。
冷凍バナナも好きなんだけど…今度八百屋さんでチェックしとこう。
一番最後に手をつけようと残しておいた台所の掃除に取り掛かる。
埃は一掃してあるので、後は窓やテーブルを磨く…まぁ、”万能クリーナー”な魔法で力も要らずにぴっかぴか!
その後、食器棚を確認。
一応食器は揃っている…多いくらいだ。
隊長、外食派の癖に、一通りそろえたんだろうか?
ありがたいから、追求はしないけど。
シンクの引き出しにナイフが数本入っていたが、包丁っぽいものは無かった。
外国風に、ナイフで料理するんだろうか?
あ、錆びてる…。
「”錆除去&研磨”」
ぴっかぴかのナイフを引き出しに仕舞う。
お料理に使う道具って、このナイフとまな板くらいなんだね…。
皮むきとかオロシガネとか、無いの。
ミキサーとかが無いのは覚悟してたんだけどなぁ。
まぁできること、しようかな。
冷蔵箱に入れてあった肉の塊を取り出して切り分ける。
ステーキっぽく焼く用と、煮込み料理用と、いため料理用。
あー、フリーザー用密閉パックなんてないもんなぁ。
仕方ないから、皿に載せて、そのまま駄々漏れ冷凍箱へ。
あんまり長期間保存は無理だよね…何か良い方法、考えておこう。
シンクは有れども、水の出し方がわからないので、とりあえず近くに置いてあった一抱えほどあるカメを殺菌洗浄して、その中に純水を入れておいた。
竈も有るけど、良く使い方がわからない。
うーむ、隊長が帰ってきたら教えてもらおう…流石に、知ってるよね? 無理かな…。
今日のところは魔法を使うことにした。
使用期限の切れてそうな調味料を使って肉を焼き、四苦八苦しながらポテトサラダを作って、スープも作っておいた。
なのにだ!
「…食ってきた」
「ディーの馬鹿ぁぁぁぁっ!!!」