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100話 エピローグ:消えた冷凍箱

 本日、残っていた2台の冷凍箱が両方とも盗まれた。

 1台目が盗まれた時に、こっちだけは死守しようと金具で床と壁にがっちがちに固定しておいたのに。

 当日当直だった弐番隊の隊員は、不審な人物は見かけなかった、何も無かったの一点張り。

 前回の壱番隊の時同様、取調べはさっと終わり、厨房担当への厳重注意だけが残った。


 なんで俺達コックのせいになるのかさっぱりわからん。





 ところで、陛下? その氷どっから調達してきたんですか?

 え? マイ冷凍箱? なんですかそれ?

「良いから、カキ氷を作ってくれ」

 いや、作りますけど、作りますけどね。

 はいはい、イチゴと練乳ですね。

 がりがりカキ氷製造機を回していると、陛下は厨房の隅に置いてある椅子に腰掛けぼんやりと窓の外を見ている。

 なんだかお疲れの様子だ。

 

 イチゴ練乳の周りにフルーツもあしらってお出しすると大変喜ばれた。


「はぁ~、アレが誘拐なんぞされなかったらなぁ」

 キンキンする頭を時折叩きながら、陛下が零す。

 誘拐などという不穏な言葉はスルーするに限る、聞かなかったことにしよう。



 それから半月程の間に、隣国イストーラの血の粛清がありイフェストニアとイストーラの和平が実現した。

 レセプションやなにやらでバタバタと忙しい日々がやっとひと段落付いた頃、厨房に新しい冷凍箱が届いた。

「今度はどうやって固定しましょうか」

 設置に来てくれた鍛冶屋のオヤジに今度こそ盗まれないような固定方法を相談すると。

「今度ぁ大丈夫だ、リー坊がそこら辺の抜かりなく術を掛けてくれたからな!」

 にやにや笑うオヤジ。

 リー坊? 術?

 この冷凍箱の製作に関わった人間なのだろうか? だとしたら是非会ってみたい!

「あぁ? あー、無理だろうなぁ、保護者が許さねぇだろう」

 それ以上は話せないと、さっさと帰ろうとするオヤジに何とか食い下がる。

「まぁ機会があれば顔を会わす事もあるだろう。 一応話しておくが、期待はしねぇことだな」



 まさかその”リー坊”が、カキ氷機の考案者で、以前この厨房でカキ氷の実演をしてみせたあの伍番隊隊長の従者だとは知る由も無かった。




言いたいことは(なんとなく)判ります!

みかんの皮は投げないでくださーい!!

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