表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

11 来訪者

 それから何か変わったかって?

 いや、特に変わることはなく。

 僕は今日も草原に転がっていた。


 確かにチーズはうまかった。

 今まで食べたどんな食べ物よりも美味かった。

 目や皮膚、内臓が生まれ変わったようなみずみずしい感触をうけた。

 頭はクリアになり、忘れかけていた、生へしがみつく本能を思い出した。


 また、チーズは食べたいと思う。

 あの口に広がるしょっぱさ。

 濃厚でクリーミーな栄養源。

 死ぬ前にもう一回ぐらいは食べてみたい。


 しかし、それを上回る欲望が僕にはあった。

 動きたくない。

 何もしたくない。

 チーズにより軽くなったと感じた体が少しずつ負荷がかかっていく。

 徐々に重力に潰されるような感じだ。

 海に入り、どんどん深みに沈んでいく。水圧で少しずつ体が押し潰されていく。

 

 終いには僕はどうなるんだろう。



 食欲はないわけではない。

 でもそれは動く動機にはならない。

 じっと動かずにいられるだけ、ずっとじっとしていたい。


 僕は、いつからこんなんだったのか…。

 ぼんやり考えていると、足音が聞こえてきた。

 

 羊の群れか?

 それにしては足音が少なすぎる。

 そう思っていると足音がどんどん近づいてきた。

 これは二足歩行の足音だ。数は1人。

 僕は少し焦る。

 人間なんて、苦手だ。

 近くに来ないでくれ。

 そう願うも、足音はどんどん近づいてきた。

 そして僕の頭の僅か数歩の所で止まる。


「小林、生きてんの?」

 懐かしい、自分の名前だ。

 仰いで見れば、そこには飛び降りを図った生徒、名前は何だったっけ…?Bとしよう。Bが立っていた。

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ