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1登校拒否未満

 あぁ、今日も朝がやってきた。

 全身がだるい。

 なぜ日は昇るのだろう。

 なぜ全く同じ日々を過ごさねばならないのだろう。

 物思いにふけって一日を終えたいところだが、母がいる。学校に行かないと知れば狂ったように心配するだろう。それが恥ずかしく、煩わしい。16にもなって、母親がベタベタと根掘り葉掘り聞いてくるなんて…ぞっとする。

 

 僕はメガネをかけ、さっさと外へ出た。

 家からなるべく離れたところで思案する。

 どこへ行こうか。

 大型ショッピングセンター、あそこは座れる場所もあった。長くいたら店員に声をかけられてしまうだろうか。それは恥ずかしい。

 駅前に座り込むか。知り合いがいて、声をかけられたらどうしよう。親とつながりがある人で、親に連絡がいってしまったら…??とんてもなく厄介だ。

 大体学校に行かなかったら、親に連絡が来るのではないか。

 帰宅したら親に問い詰められるのではないか。

 それも避けたい。面倒だし、プライドが傷つく。


 よく登校拒否という言葉を聞く。

 誰もが知っている、学校に行くことを拒否することだが、それが僕には難しくうらやましい。

 最近増えているというのだから、僕もその波に乗りたいところだが、できずにいる。

 思うにそれは環境と勇気がそろって初めてできることではないかと。


 僕はどちらも持ち合わせていない。

 結局ノロノロと足は学校へ向かう。

 気は進まない、重い足取りだが、始業前に着くよう計算して早めに家を出ているので遅刻はしないという、我ながらビビり&登校する気満々であることが否めない。

 

 あーあ、今日が世界最後の日にならないか、

 宇宙人がやってきて、大騒ぎになり、学校に行かなくて良いという風潮になってくれないものか。

 僕は悔し紛れにそんなことに思いを馳せる。

 

 

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