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税は国家なり! 主権が税に簒奪された絶対税制国家日本へようこそ

作者: 岡座 道糞

 自民党・公明党の両党は、来年度の与党の税制改正大綱が20日に決定した。その書き出しは驚く事に「税は国家なり」である。このフレーズのオリジナル「朕は国家なり」は17世紀のフランス国王ルイ14世の言葉で、当時の絶対王政を象徴する言葉である。”朕は国家なり”という邦訳は古く”~は”という言葉の強さが弱くなり、朕という言葉の響きが面白いせいで、このフレーズの強さに勘違いが産まれている。


 元の言葉であるc'est moi.を現代的に訳すなら「我こそが国家である」となる。ルイ14世が親政の為に強力に中央集権を進める過程で、最高司法機関から異議を挟む権利を剥奪した際に「国家と国民をどう思っているのか?」と問われて「国民だけで良い、国家とは私の事だ!」と返した事が基とされる。つまりは「国家の正当、正義は私が決める事だ!」という意訳になるのだろう。



 長々と「朕は国家なり」の解説をしたが、コレを踏まえて税制改正大綱の書き出しがなんと書いてあるか「国家の正義はどれだけ税金を取れるか」と言っているのである。「朕は国家なり」の一般認識や多くの引用がそうであるように国民との関係性は消滅している。恐ろしい事に、一部の議員は”国民生活の向上”という国民国家の根本目的すら平気で軽視する発言をしている。


 税金無答責の精神である。税金を取る事、政府予算圧縮で発生する問題については一切の責任が伴わない。人員や予算を圧縮しながら、これからも変わらない、否、それ以上の成果を挙げる事を当然の事のように要求している。そもそもが間違っているので知能指数が絶望的な回答が並び立つことになる。曰く、薬価を押し下げ製薬会社の利益を劣化させれば製薬会社は発奮して新薬開発を頑張る! 曰く、減税すると買え控えが起きて経済に悪影響が起きる! 曰く、減税すると商品の値札替えが大変だ! 風が吹けば何とやらみたいな、お前ら正気かよと言った議論がまかり通っている。



 主税思想の根本は何なのか? 正義を疑う事を知らぬ純朴さが産みだした悲劇である。ハッキリと言い切るなら”財政再建主義”とは、9条的平和思想、多文化共生運動etcといったおサヨク臭い正義活動と一緒である。狂気的かつ攻撃的な潔癖症患者達の徒党である。


 9条教徒たちと会話すれば「お前たちは平和を大事では無いと言うのか!!!」と言ってくるだろう。そして軍隊が在るのと無いのではどちらがより(・・)平和的か! というお話になってくる。多文化共生教徒も同じで、より(・・)差別が無い状態はどっちかという話になる。財政再建主義とか財源論とか全部ウソで、主税思想は『借金は悪』という穢れ思想に基づく素朴理論に過ぎない。より綺麗なのはどっち? と言う程度の話でしかない。 


 こんなトチ狂った思想をひたすらに伝播し日本を崩壊に導いたのが財務省である。”財務官僚はただ仕事をしていただけ”なんてのは本当にお笑いである。まるでアンナ・アーレントの『凡庸な悪』を読んで、アドルフ・アイヒマンはヒトラーとかの命令に従ってただけで何も悪くない! アドルフ・アイヒマンが可哀想とか思っちゃう人間である。


 そもそもナチスのユダヤ人浄化は絶滅収容所以前から行われていた事である。ドイツ圏からユダヤ人を抹殺するという目的に従いユダヤ人事業は行われた。それは正義だと喧伝し強制移住事業のプレゼンテーションをアドルフ・アイヒマンは熱心に行い、とても優秀な成績を出した。強制移住が困難になったから殺戮を開始した、単にそれだけの話である。最終的に敗戦が見えてきたのでヒムラーはユダヤ人虐殺に対して中止命令を出したが、アイヒマンはそれを黙殺して虐殺を継続した。ユダヤ人を”汚れ”と定義し浄化する事への異様な渇望。アイヒマンは小役人では無いし凡人でも無い。


 アイヒマンは絶対悪では無い? 成程、アイヒマンは時代の犠牲者とは言えるかもしれない。こんな狂った価値観がまかり通る世界で正常に生きるなど困難な事だ。アイヒマンだけが悪いわけでも無い。しかし、そんな程度の理屈ならヒトラーその人にも適用できるのである。結局のところは、アイヒマンが絞首刑が妥当の虐殺者であったという事実に変わりは無いのだ。そんな単純な事すら判らない、または誤魔化そうとする。


 

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