表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/66

第41話 髪型を可愛くしよう

「……はぁ」


 マーダスが姿を消した後、僕はペタンと座り込む。斬り合っていたら、たぶん無事では済まなかった。大きな実力差があることくらい僕にだってわかっていたんだ。でも、女の子を盾にして逃げるわけにはいかず、盛大な虚勢を張っていたに過ぎない。


「ジュナリュシア様!お怪我は!?」


「え?ううん、僕は大丈夫。シューネさんのおかげでね。改めて、助けてくれてありがとう」


「いえ……そんな……」


「あ、髪が……」


 シューネさんの方を見ると、長かった前髪がバッサリとなくなっていて、綺麗な水色の瞳が姿を表していた。宝石のようにキラキラしている。


「綺麗だ……」


 吸い込まれそうな目の色に、ふと、つぶやいてしまう。


「え?」


「あ、ごめんね。僕を庇ったせいで髪が……」


「髪?」


「ん?前髪が切れちゃってるよ?」


「ええ!?」


 シューネさんは焦った顔をして両手でわちゃわちゃと前髪を触る。


「ない!わ、わたしの前髪!」


「お、落ち着いて。その……無くっても大丈夫だよ」


「大丈夫じゃありません!目が!目を見られちゃう!」


 そっか、シューネさんは白い髪と同じくらい、自分の目の色のことを気にしていた。呪われた子だって、言われてきたからだろう。だから、僕はもう一度、自分の考えを伝えることにした。


「あのさ、さっきも言ったけど、シューネさんの目の色が家族と違ったって、なにも問題はないんだよ?」


「で、でも……」


「それに、すごく綺麗な水色だと思う」


「そんな……き、きれい、だなんて……ウソです……」


「ウソじゃないよ、僕のことを見て?」


 チラッ。シューネさんが、両手の指の隙間から僕のことを見る。


「シューネさんの目は綺麗だ」


 誠意をこめて、僕を救ってくれた少女に、そう言った。


「……うー……」


 シューネさんの顔がほんのり赤くなっていく。それを見て、自分がなんだか臭いセリフを言っていることに気づく。


「な、なんかごめん……そういうつもりはなくって……」


「い、いえ……」


 自信を持ってもらいたくて言ったのに、口説いてるみたいになってしまい気まずくなる。


「……あのさ!もしよかったら、この際、髪型変えようよ!」


「え?ええ?」


「よし!そうしよう!そうすべきだよ!」


 僕は、気まずさを誤魔化すために、シューネさんの手を取って立ち上がった。


「あ、あの……」


「えーっと、ピャーねぇには僕の家に来て、と手紙を残して、っと、さぁいこう!」


「ええ?ジュナリュシア様!?」


 僕はシューネさんの手を引いて自宅まで戻ることにした。



「ただいまー」


「ジュナ様?お早いお帰りですね?」


「あれー?ピャー様はー?その子だれ?」


「あ、シューネさん、僕のメイドを紹介するね。こっちがディセ、こっちがセッテだよ」


「こ、こんにちは……」


「で、この子はピャーねぇの友達のシューネさん。あ、僕の友達でもあるね」


「と、ともだち……」


「そうなんですね、そちらの方が。はじめまして、ディセと申します」


「セッテはセッテだよ!よろしくね!」


「よ、よろしくお願いします」


「あのさ、2人にお願いがあるんだけど、シューネさんの髪をかわいく整えてくれないかな?さっきちょっとしたトラブルで前髪が崩れちゃって」


「前髪が?なるほど」


 ディセが髪を隠しているシューネさんを覗き込む。


「いいよね?シューネさん」


「え……でも……」


「セッテがもっとかわいくしてあげる!こっちきて!」


 グイッ。セッテがシューネさんの手をとって引っ張る。シューネさんはあわあわしていた。


「あ、あの!わ、わたし!でも!」


「いいからいいから!」


 そんな感じだ。よし、ここはセッテに任せることにしよう。


 僕はというと『そうだな、あれをとってこようかな』と考え、ある物を取りに2階の自室へと向かったのだった。

「面白かった!」


「ヒロイン可愛い!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ