第28話 組織の戦力増強について
「よし、ディセとセッテのスキルの効果はだいたい把握したことだし、次は組織の戦力増強について話し合おうか」
「はい!」
「うん!」
「かしこまりました、ところでご主人様」
「ん?なに?」
僕たちはいつも通り、自宅のリビングにて物騒な作戦会議をはじめようとしていた。題して、キーブレス王国簒奪大会議、である。
「私たちの組織には、なにか組織名のようなものはないのでしょうか?」
「組織名?」
「はい。国を取るとしたら、〈レジスタンス〉のような名前があった方が、人を勧誘する上で便利かと思いまして」
たしかに、こういう裏組織には組織名があるのがお決まりか、と考える。
「なるほどね。うーん……すぐには思いつかないから考えておくよ」
「よろしくお願いします」
「じゃ、話を戻すけど、戦力増強についてだね。ちなみに、みんなは協力してくれそうな人に心当たりってないかな?」
「うーん……」
「うーん……」
ディセとセッテが斜め上を向いて首を傾げる。双子らしく動きがシンクロしていて可愛かった。
「私には、暗部の顔見知りしかおりませんし、信用できる人物はいませんね。暗部の人間は、だいたいが、どこかの王子か王女に通じているかと思います」
「なるほどね。カリンみたいな子が特殊だったんだ」
「はい。カリンはご主人様に拾ってもらえて幸せです」
「いえいえ、そんなそんな、こちらこそだよ。ディセとセッテも心当たりはなさそうかな?」
ないだろうな、と思ってはいたが、一応確認しておく。
「うん……セッテたちはスラム街の出身だし……」
「はい……ディセも特には……スラム街には、悪い人と、無気力な人ばかりで……」
「わかった。みんな、考えてくれてありがとう」
「ちなみに、ご主人様にはお心当たりはあるのでしょうか?」
「そうだね。一応1人だけ」
「お名前を伺っても?」
「セーレン・ブーケさん」
「なるほど、この前の授与式の」
「うん。彼なら人格的にも大歓迎だし、ピャーねぇに感謝もしてる。なぜだか僕のことも評価してくれてたし、勧誘するにはいいかもって思ってる。でも、懸念点もあるんだよね」
「それはなんでしょうか?」
「優しすぎるっていうのと、戦闘に向いたスキルではないってところかな」
「確かにそうですね。Sランクの治癒魔法スキルは怪我を負ったときに心強いですが、前線に立てる力とは言えませんし」
「だよね。現状だと、戦えるとのは僕とカリンだけだし、武器の扱いに長けた人か、攻撃魔法が使える人が理想かなぁ」
「ディセたちが戦えれば……」
「セッテ!がんばって戦うよ!」
「うん、2人は危ないから後方待機でお願いします。気持ちだけ受け取っておくね」
「はい……」
「えー?はぁい……」
「じゃあ、しばらくは、前線に立てる人材を探す、という方針でよろしく。まずは、貴族とか騎士団の人間に良さそうな人がいないか探ってくるよ。みんなも良さそうな人がいたら教えてね。くれぐれも独断で声をかけないように。突然、国盗りしませんか?なんて声をかけたら逮捕されて処刑されるだろうから、気をつけて」
「はい!」
「はぁい!」
「かしこまりました」
ということで、この日の作戦会議は幕を閉じた。しばらく僕たちは人材探しに奔走することになりそうだ。
「面白かった!」
「ヒロイン可愛い!」
「今後どうなるのっ……!」
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