表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/66

第24話 キーブレス王国簒奪大作戦

「それでは、キーブレス王国簒奪(さんだつ)大作戦の話し合いを始めたいと思います」


「そうやって聞くと物騒だね」


 僕は、自宅のリビングにて、カリン、ディセ、セッテと紅茶を飲みながら、これからの計画について話し合おうとしていた。


「まず、ピアーチェス様のギフト授与式のご成功、おめでとうございます」


「ありがとう。これも、カリンが潜入を手伝ってくれたおかげだね。もちろん、ディセとセッテの事前準備もすごく助かった」


「いえ、家臣として当然の務めをしたまでです」

「ディセもです!」

「セッテ頑張ったよ!」


「うん。みんな、改めてありがとう。それで、現状を整理すると、ピャーねぇには今もAランクのギフトキーが入ってる。だから、またギフト授与式にかりだされても、たぶん大丈夫だと思う」


「ですね。授与相手がよっぽどポンコツでない限りは大丈夫でしょう。ただ、それよりも手っ取り早い話、もう一度スキルランクの判定をしてもらい、Aランクだと知らしめるのが早いのではないでしょうか?」


「うーん……それなんだけど、キーブレス王国ではスキル鑑定は一人一回が基本みたいなんだよね。再鑑定をすることは基本的にはないらしい」


「でも……それだと、ピアーチェス様はこれからもEランクとバカにされるのではないでしょうか?」

 とディセが心配してくれた。


「それは大丈夫。EランクがSランクのスキルを授与できるわけがない、スキル鑑定が間違ってたのでは?って、みんな言ってるから。たぶん、再鑑定の儀式の場が設けられると思う。ただ、正式な場でしかスキル鑑定はやらないって決まりがあるらしくて、すぐにってわけにはいかないけど」


「よかったぁ。これでピャー様は安全だね」

 セッテの言葉で、ディセも笑顔になり、2人して笑い合っていた。


「うん、そうだね。で、問題は僕の方だ」


「ご主人様は、依然としてスキル無しと思われてますよね」


「そうだね。僕の力のことは明かせないから、スキル無しでも有用だと認識させる必要がある。もしくは、立場が危うくなる前にこの国を盗るか」


 力のことを明かせない。それは、僕の能力があまりにも不吉で望まれないものだからだ。スキルを与える王族にスキルを奪う王子が生まれた。そんなことが判明したら、国民に知られる前に暗殺される未来しか見えない。だから、僕は依然としてスキル無しとして生きていくしかない。


「国盗りについては、まだ準備が必要かと」


「だね。僕も同じ意見。さすがに4人だけじゃ戦力が足らない。だから、当面の目標は2つ、1つは、僕が安全に生きていけるだけの地位を手に入れること。もう1つは、組織をもっと大きくすること。この2つだ」


「なるほどです。それで、ディセたちはなにをすればいいでしょう?」


「うーん、そうだなぁ、今すぐに何かってのは……あっ……」


「なになに?」


「いや……」


 僕は、前から計画してたことを考えていた。カリン、ディセ、セッテへのスキルの授与についてだ。

 ピャーねぇがAランクのギフトキーを手に入れたことだし、みんなのスキルを発現させたら、僕たちの戦力はかなり増強されるだろう。


「ディセたちにジュナ様の考えを教えてほしいです」


「えっと……ピャーねぇからみんなにスキルを授与してもらえないかなって。それができたら、僕たちの戦力は一気に増すよね?」


「たしかにその通りです。しかし、ご主人様。ピアーチェス様に私たちの組織のことは話してないんですよね?」


「うん……」


「ピアーチェス様に話さないんですか?」


「悩んでる……」


「ピャー様だけ仲間はずれなのは……セッテ悲しい……」


「うーん……」


 僕としては、僕の大事な人たちが安全に暮らせるならそれでいい。その過程で国を盗ることになっても。でも、ピャーねぇにキーブレス王国を盗る、なんて計画を話したら、反対されるような気がしていた。

 それに、なるべく彼女には危険な目にあってほしくないという思いもある。だから、なかなか話す決心がつかずにいたのだ。


「では、黙ったまま、私たちにギフトキーを使ってもらうのはかなり難しいのではないでしょうか?」


「ピャー様、真面目だから、スキルちょうだいって言っても、だめですわって言うと思う」


「だよねぇ……僕もそう思う」


「では、ご主人様が催眠スキルを誰かから奪って、」


「……カリン?何を言っている?」


 僕は暗い顔でカリンのことを見る。


「申し訳ありません……ひとつの手段として提案したのですが、ご主人様のお気持ちを考えておりませんでした」


「うん、わかってくれたならいいよ。ピャーねぇの意志を曲げることは……なるべくしたくないんだ」


 ピャーねぇのギフトキーをすり替えた僕が何を言っている?その矛盾に気づいたが、最後まで言い切ってしまう。


「ごめん、カリン、怒ったりして」


「いえ、大丈夫です。ご主人様に睨まれるのもゾクゾクしますので。わからせがいがあります」


 ……ん?なんかこの従者、今おかしなことを言わなかったか?


「えーっと……で、みんなにピャーねぇからギフトキーを使ってもらう方法だけど、やっぱ、あれかな」


 僕は、ニンマリした目をしているカリンから目をそらして、前から考えていた作戦をみんなに伝えることにした。


 それを聞いて「うん!セッテ頑張って作るね!」とお菓子作りが得意なセッテが協力を申し出てくれた。これが上手くいけば、みんなにスキルが発現するだろう。

「面白かった!」


「ヒロイン可愛い!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ