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アマチュア作家

〈は? 嘘だろ画伯! お前、女だったのか?〉


〈え、言ってなかった?〉


〈あり得ないだろ。お前、ロボットもの書いてるのに?〉


〈僕の書くロボットもの面白いって言ってくれたのリクだよ? 今更、ありえないとか言われても困る〉


 俺は思考停止する。画伯が、女だってこと知らなかった。あいつ、だって、ツイッターではエロアカウントに補足されてパンツ画像ばっか見るハメになってるとか言ってたじゃん。あと、ハーレムにする女キャラの胸の大きさをどう表現するかも相談に乗ったことあるのに。お、俺はなんてことを教えてしまったんだ。俺、画伯から通報されたりしないだろうか。


〈はじめて選評もらえると思うとドキドキするね〉


 そ、そうか、選評をもらえるのか。一次選考を落選すると、何が原因で落ちたのか分からない。ほんとに羨ましい。原因は一つではないとはよく言われるけども。


〈リク。選評のことなんだけど、もし酷いことが書かれてたらどうしたらいい?〉


〈そんなの、届いてからにしろよ。なんにしろ、二次選考もあるんだから〉


〈そうだね。うわー、こわ。今から怖い〉


 二次選考のことは分からない。俺にとっては未知の世界だ。


〈リクにオススメの賞があるんだ。次の作品書いてる?〉


 そ、そんなのすぐに書けるわけねぇだろ。待てよ、画伯はもう次の作品も書いているのか。俺はにわかに絶望した。次々に書くことができることは、次々に応募することができるということ。ラノベはスピードが命だ。


〈ま、まだ書いてない〉


〈えーっと、ウェブのコンテストだけど、漫画原作の賞。面白そうだから出してみる? 今回僕は出せなくてさ〉


 え? 画伯、自分で調べたのに応募しないのか?


〈僕も遅筆だから〉


 画伯って、ほんと面白いと思った。同時に俺らって、どこまでいっても素人だなと、おかしくなって笑った。画伯と通話したらどんな感じだろうか。だけど、今夜は色々起こりすぎた。画伯の声を聞く勇気はなかった。俺の中では、エロアカウントにパンツを見せられているおじさんだと思っていたから。


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