すぺっく
ルーモと雪奈が出会い、1年が過ぎようとしていた
大きさは、10㎝を超える程になった
触感は相変わらずの『マシュマロ』だが、いつの間にか、短い毛はなくなっていた
あの子に尋ねられたことがある
ルーモって、何歳?
寿命は?
形は、ずっとこのまま?
おなかは空かないの? 何も食べないよ?
ルーモに年齢の概念はない
元々、医療用セラピー生物だから、患者より先に死なないようにしている
正確には、自分で寿命を決定できる生物である
形は臨機応変に変える事が可能、球体に近い体型が、エネルギーロスが少ない
少し変形し、外部の光を体内に取り込み、明るくなっている時が食事中で、エネルギー源は太陽光等、光合成に近い事をしている
凄いのは、可視光以外もエネルギー変換できる事である
ホタルと同様の発光メカニズムを持っており、発光色を変える事もできる
また、ルーモには「記憶」の概念がない
経験したことは全て、遺伝子レベルで「記録」されていく
新しい経験をする度、体の全ての細胞が更新される
つまり、細胞の欠片から、完全なクローンを作る事が可能である
これは実用化において、非常に重要な意味を持つ事になる
軍事用への転換が容易な為、今のところ『極めて穏やか』な性格に育成している