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月の・・  作者: ましゅまろ・るぅむ
22/24

おはよう


「雪奈は、とても明るく、優しい子に、成長する事ができました」

「ルーモさん、ネルモさん、あなた方のおかげです」

「あなた方と出会い、雪奈は生きる素晴らしさを得る事ができました」

「あなた方と共に過ごした日々は、雪奈にとって、かけがえのない物でしょう」

「ネルモさん、ありがとう。 あなたの機転がなければ、雪奈は大切な友達を無くすところでした」

「そして健一郎さん、雪奈の後見人として、今後の事をお願いしてよろしいでしょうか」

「ここの研究所設備を含む、天宮家の全資産を、お譲りします」

突然の申し出に、健一郎は驚く

「後見人はともかく、全資産っていうのは、さすがに受け取り辛いですね」

モニターの女性は笑みを浮かべ、淡々と話を続ける

「そう言われると思ったので、既に手続きを済ませておきました」

「はいっ、ルーモも手伝いましたぁ」

「ちょっとマテ・・ ナニを手伝ったのかな?」

「分かってるクセに~、いつものヤツですよ、ダンナ(笑)」

「あ~、またか」

こめかみを押さえる、健一郎

「人生が蹂躙されていく~」

そして、不意に顔を上げ

「ま、いっかぁ」

「今の家は賃貸だし、住居と研究室がタダで手に入るのは、嬉しい」

「そして、何より・・ 家族が出来るのが一番、だな」

『健一郎、カッコいい~~』

ルーモとネルモの声がハモる

「あらためて言うな、照れるわぁ」

「結婚するみたいな、言い方だよねぇ。 いよっ、お二人さんっ、てか?」

「でも、年齢が違いすぎない?もしかして健一郎、ロリコンか!そうなのかっ?」

「それは、イヤぁぁ、ヤメてぇぇぇ」

キャピキャピ騒ぐ、マシュマロ達であった




『ピピッピピッピピッ』




「そろそろ、雪奈が起きるぞ」

ネルモが教えてくれる

「ん、んん~~」

ベッドから身を起こし、伸びをする雪奈

「おおっ、なんて自然な動き!」

「素晴らしいです、完璧ですっ、愛を感じますっ、教授~」

健一郎の涙腺は、崩壊していた


「あれ? いつの間に、部屋に帰ってきたのかな?」

「なんか不思議な夢だったな」

「マンガじゃあるまいし、お母さんがコンピュータになってるワケ、ないじゃん」

「ねえ、ルーモ?」

「ルーモ? どこ? 隠れてるの?」

「ネルモは? ねえ、ネルモ~。 ルーモ知らない?」

「ネルモも居ないの? 二人とも遊びに行ったのかな」

「んん? 体が軽い、なんかイイ感じ。 昨日だっけ? 死にそうな位、辛かったのに、不思議~」

「もしかして、ルーモ達が治してくれたのかな? お礼、言わなきゃ」


健一郎は笑顔で、ベッドに歩み寄り

「おはよう、雪奈」

「おはようございます、昨日はありがとうございました」

「もう大丈夫みたい、元気いっぱいだよ」


「おはよう、雪奈。 久しぶりね」

「え? その声は、お母さん? どこ?」

「あなたの目の前、モニターに映ってますよ。雪奈が見たのは夢ではなく、現実です」

ベッド柵から自在アームで、モニターが雪奈の正面に設置されている。

「お母さんは、コンピュータになってからも、ずっとあなたを見守っていました」

「そして、あなたは生まれ変わったの」

「今までの肉体から解放され、新しい体を得ました、最初は違和感もあるでしょうが直に慣れるでしょう」

「そっかぁ、みんなで私の体を治してくれたん・・だね。 ありが・・とう」

嬉しさに、雪奈の声が震える

「あれ? 涙、出ない?」

「そうですね、生身の体ではないですから、仕方ありません」

「んーと・・、そっかぁ・・、わかった・・。 そーゆーコトね」

「治ったんじゃなくて、生まれ変わったんだ。 うんうん、オッケー。 大丈夫~」


「あー良かった、どう説明したらいいのか、悩んでたんだ」

「やっぱり、親子同士の話し合いがイチバンだよね」


「あれ? ルーモ、ネルモ? どこよ? どこに隠れてるんだぁ」


「雪奈の体の中で『のーみそ』と『機械の体』の橋渡しをするのが、僕達の仕事になりました」

「もう・・ ふわふわもふもふ、出来ないの? 寂しくなるよう・・」


「今までと、変わらないよ。 皮膚感覚、聴覚、視覚が直接神経に伝わるだけ。 だよね、ネルモ?」

「そうですね。 今までとは違う『ふわもふ感覚』を開拓するのが楽しみですねぇ、うふふふふ」

「良かったぁ、今まで通り、仲良くしようねっ」


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