母と子
(雪奈・・雪奈・・)
(起きて・・)
懐かしい声を聞いた
(お母さん?)
久しぶりに、母親の夢だ
しかし、姿はなく、声だけが
夢とは思えぬ程に、鮮明に聞こえてくる
(分かっているわね。貴方は、もうじき死んでしまうの)
(うん、分かるよ。 今は楽になっているけど、凄く痛くて苦しかった)
(もうダメなんだな、って・・)
(お母さんが死んだ事は、知ってるね?)
(うん)
(実は事故の後、お母さんの脳は手術で取り出され、天宮家のコンピュータと繋がれているの)
(事故で肉体は無くしたけど、雪奈のそばに居たくて、お父さんにお願いしたの)
(お母さん、大丈夫なの? 痛くない? 苦しくない?)
(大丈夫。 お母さんはね、雪奈のそばに居られるだけで、とても幸せなの)
(今日まで、貴方の事を見守ってきた。 周りには可愛い友達や、頼りになる大人がいるから、安心でした)
優しく語りかける母親の声に、いつの間にか雪奈は泣いていた
(お母さん、私・・生きていたい、死にたくないよ)
(いつまでも、毎日、一日中・・お母さんと話をしたいっ)
(お母さんが居ないと・・ 寂しいよ)
(ありがとう、雪奈。 貴方は、とても優しい子ね)
(私も・・ お母さんみたいに・・ なりたいな)
(それなら、ずっと一緒に居られるよね?)
(雪奈・・ 人間はね、心と体が一つになって、初めて人間と言えるの)
(お母さんは、人間じゃなくなってしまった。 貴方には、辛い思いをさせたくないの)
(お母さん、そんな事ないよ)
(ルーモやネルモは、まん丸だけど・・
私の大切な友達)
(見た目なんかよりも、心がイチバン大事なの)
(だから・・ 一緒に、居させて)
(雪奈、おやすみなさい)
(・・お母さん)
強い睡魔に襲われ、意識がうすれていく




