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月の・・  作者: ましゅまろ・るぅむ
14/24

託されたモノ


いつもなら雪奈と一緒に寝るルーモが、珍しく健一郎のベッドに入ってきた

「どうした?」

健一郎はルーモを撫でながら、優しく尋ねる

(健一郎。 モーラの声を聞いてあげて)

「何? 声って? もしかして?!」

「ルーモは、アレとコンタクトしたのか?」

(アレじゃないよ、モーラだよ)


ルーモはモーラとの会話内容を、健一郎に伝えた


「モーラ、気の毒だったな」

「天宮教授は、本当にモーラの事を、研究材料としてしか扱ってなかったのかな」

「生物として、話しかけたりしなかったのかな」

「知ってるか、ルーモ? 教授の私物のストラップ」

「手作りの、可愛いモーラだったよ」

(!!!)

「直接、触れあっていれば、意思疎通ができたんだろうな」

「天宮教授、生粋の研究者だから、直接、触る事が出来なかった・・かな」

「・・・・辛いな」

ルーモは、無数の色を、淡く、放ち続けていた。いつまでも。




翌朝、健一郎は雪奈に叩き起こされた

どうやら、ルーモが電子レンジに入ろうとしているらしい

世間一般常識では、「電子レンジに生き物は入れてはイケナイ」事になっている

しかし、光波、電磁波を主食とするルーモにとっては、専用食堂みたいな物である

かといって、食べ過ぎは良くない

「そんなに腹が減ってるなら、外で太陽浴びた方が健康的だぞ」

「そうだよ、電磁波の偏食は良くないと思う」

こぶしを握りしめ、雪奈が言う

ルーモは健一郎に飛びつき、訴える


(分裂・・するのに、エネルギーが足りないんだ)


(モーラの思いを受け止めたい)

(でも、モーラの細胞を受け入れたら、ルーモはルーモで、なくなってしまうかも)

(雪奈を残していけないから、分裂を・・)


「分裂しなくても、大丈夫だよ」

「ルーモの一部があれば、再生できるから」

(はい?)

「ルーモの体、ちょこっと切り分けて、モーラと融合、遺伝子情報を少しいぢる位?」

「名前は『モルモ』にしようか、neoルーモで『ネルモ』でもいいかな」

(そんな簡単に・・)

サラッと言われ、一気にテンションダウンしたルーモであった

「昨日、あれから考えていたんだよ、ルーモと同じ事を・・安心して」




研究室にて




「それでは・・・」

ワキワキと両手の指を動かしながら、健一郎はメスを手に取る

「うあぁ、痛そう」

雪奈は、少し離れたところから覗き込んでいる

(大丈夫だよね?)

「大丈夫だよ、もう終わったから」

「はいぃ?」

(はいぃ?)

雪奈とルーモがハモる

「いや、あまりタメると、痛くなくても嫌な気分になるかと・・サクッと」


ふくれている雪奈、何を期待していた?




紆余曲折ありながら、名前は『ネルモ』に落ち着いた

モーラの記憶のせいか、少しクールな性格になっている

直径1㎝位の大きさだが、ルーモの経験値と、モーラの知識を受け継いだ


『最強のマシュマロ』である




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