好物は
健一郎は3日間、天宮研究室に泊まり込み、研究成果の確認をしていた
とりあえず解った事は、生体と電子デバイスとの接続、連携に成功していること
コストと時間だけが課題になっている事
義手、義足等において、生体と直結でき、患者のストレスを大幅に減らす事が可能
マウス実験では、サイボーグ化まで成功している事
その後については、研究記録が残っていなかった
ルーモは、モーラのことを伝えたかった
モーラが意思を持っている事を知られることなく、独りぼっちで死んでいった事
ルーモに、何かを託したいと言っていた事
「うーん、っと」
健一郎は椅子に座ったまま、目一杯のびをした
「やっと、資料とデータの整理が終わったよ」
「雪奈さま、長らく、ご迷惑かけました」
「ルーモさま、相手してあげられなくてゴメンね」
雪奈はニコニコしながら
「大丈夫です、独りで居るよりも賑やかで楽しかった」
「みんなで食事してる時が、一番楽しかった」
(健一郎は、3日間カレーしか食べてなかった)
「ルーモの好物も分かったしね~」
(今までの中で一番、おいしかったデス)
「はいっ、先生っ! 光にも味があるんですか?」
「うむ。 良い質問だね、雪奈クン」
健一郎は指先に力を入れる、ルーモはグニャリと潰れかけるが、踏ん張る
「可視光と赤外線、揺らぎ、光源の形状、それら全てが絶妙にブレンドされ・・」
(あ。語りだした、長くなるよ)
「周囲の物体に反射した光は、波長を変えて干渉波を作り出し、ルーモに届く」
指先の力が更に強くなるが、ルーモも押し返す
「その干渉波を、『味』として感じているのではないかと推測する」
「長いねぇ」
ニコニコと楽しそうに解説を聞く雪奈
「ルーモ、アレだけじゃないぞ。日本には他にも、もっと種類があるんだ」
(食べてみたい~)
「今度、探しておくから」
(ありがとー)
「ルーモ、ハマったねぇ」
雪奈はルーモをツンツンしながら、嬉しそうにしている
(うん。 ローソク最高っ)




