表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月の・・  作者: ましゅまろ・るぅむ
12/24

モーラ


試験管の中にある、『ルーモオリジナル?』には無数の電極が刺さっていた

「ウニみたいだね、痛くないのかな?」

雪奈は、食い入る様に眺めながら呟く

(大丈夫だよ)

(雪奈は優しいね)

ルーモも同じ様に、試験管に貼り付いていた


そっと雪奈から離れ、健一郎にも認識できない状態で

試験管に寄り添い、ルーモは呟く


(こんにちは、おじいさん)

(で、いいのかな?)

(ルーモは独りぼっちじゃなかったんだ)

(なんだか、変な気持ち)


ポワンと光りながら、ルーモは気持ち良さそうにしていた



不意に


((誰だ))


ルーモは、微かに「声」を聞いた


((誰だ? ワレの安眠を妨げるのは))

((このまま、朽ち果てさせてくれ))

((ワレは何も望まぬ、希望も要らぬ))

((残り僅かのエネルギー、無駄遣いさせるな))

((去れ、人間よ))


((!!!))


((この感覚?))

((同族か?))

((ワレの声が少しでも届いておれば・・))

((試験管の上、コネクタ接続部に触れてはくれぬか))

((朽ちる前に、伝える事がある))


(話しかけてくるのは、おじいさん?)

ルーモは、ためらうことなく、試験管の上部に移動する

とたんに意識と声が鮮明になる


((おお、新たなる命よ!))

((我が名は『モーラ』人間に創られたが自我と意思を持っているモノだ))


(ルーモ)

(お父さんは健一郎、雪奈は友達)


((人間を信じるな、彼らは道具の一つとして我らを創り、消耗するだけだ))

((天宮は我々の創造主であるが、与えられたものは苦痛だけだった))

((実験と称し、数え切れぬ程の仲間を殺された))

((我々は、あらゆる生物、そして電子デバイスと融合する事が可能だ))

((実験用マウスはもとより、犬、兎、猿・・))

((そして、義手、義足))

((神経接続の為の道具、材料として、扱われた))

((我々は、同時に二種類以上の異なるモノと融合する事は出来ない))

((生体としては機能するが、自我は崩壊し、事実上の死となる))

((皆、何も知らぬまま、死んでいった))

((ワレは不良品と間違えられ、実験対象とならず生き延びたが・・・))


声が途切れる


(モーラ、辛かったよね)

(仲間や友達との別れ・・)



((ワレは復讐した、苦しんだ仲間の為に))

((天宮が開発した実験用サイボーグ))

((納入先のペンタゴンとやらで、戦闘用に改造された状態で、暴走させた))

((そして、天宮は行方不明になった))

((そのおかげで、エネルギー供給も止まり、ワレは緩やかな死を待つだけとなったが))


(出逢ったばかりなのに、悲しいコトいわないで)

(健一郎に相談すれば、なんとかなるよ)


((無駄だ、ワレの細胞は弱り切っている、どうにもならぬ))


((しかし・・もしも可能ならば・・・・ワレの知識と・・・・・・経験を))

声が、途切れ途切れになる




((託したい))




そして、声は二度と聞こえなくなった



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ