地下施設
3人(?)は、点検口から屋根裏、そして隣の空間へと移動していく
『ピカソ』の裏側は階段になっていた
壁の向こう側から、ガチャンガコンと音が聞こえてくる
おそらく、元の場所に戻っているのだろう
「天宮教授、あんなマニアックな仕掛け、よく考えついたよなぁ」
呟いていると、雪奈が応える
「お父さん、ガンダムとか大好きだったよ」
「だよねぇ」
苦笑いする、健一郎であった
階段を降りると、自動ドアに行き当たる、当然セキュリティもしっかりしているだろう
音声認識により、ロックが解除されるタイプのようだ
ドアには、無造作に手紙が貼り付けであった
雪奈に宛てたものであった
『雪奈へ・・
もしも、お父さんに何かが起こり、ここまで来る事があったなら
研究所とその研究結果、成果についての処遇を任せる
おそらく、独りでは無理だろう、信頼できる大人に相談しなさい
ちなみに、ロック解除パスワードは、雪奈の大好きな「スイーツ」にしてあるよ』
天宮教授の直筆、サインペンで書いてある、よっぽど急な用件でもあったのだろうか
雪奈は貼り紙を抱きしめ、しばらく涙ぐんでいた
・・・・・
「スイーツ? 大好きなモノ、たくさんあるけどー? 全部言うの?」
「いや、3回間違えたらアウト、みたいな事になるとマズイから、慎重にいこう」
「そうだね、バクハツとかしたら痛いもんね」
すると、ルーモが雪奈の頭の上に乗り、ポワンと光る
(雪奈の大好きなモノ・・)
(わかるよ)
「あ、あれだね」
「じゃあ、魔法の呪文、唱えるよぉ」
テレビに出てくる、魔法少女みたいにポーズを決める雪奈
『栗・き・ん・と・ん』
『ピピピッ』
ドアが開いた瞬間、室内側から少し風が吹いた、室内が陽圧になっている為だ
「クリーンルーム、みたいだな」
健一郎はワクワクしていた
同時に照明が点灯し、広い研究室が現れた
ざっと見渡し、健一郎は全てを理解する
「凄いな、こんな研究をしていたなんて、天宮教授は諦めてなかったんだ」
「生物と機械の融合、画期的な大発明だ」
研究室には、直径6㎝、長さ40㎝程の密閉された試験管の様なモノが整然と並んでいる
その中には、ルーモと同様の生物がいた
実は、ルーモを初めて創り出したのは、天宮教授であった
技術論文を元に、健一郎はルーモを創ったのだ
実は、論文発表後、世界中で再現実験が実施されたのだが、環境条件が非常に厳しく、成功事例は皆無だった
そんな中、健一郎は奇跡的に成功してしまったのであった




