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月の・・  作者: ましゅまろ・るぅむ
10/24

入口


3人(?)は、ピカソの前にいた


「さて、問題です」

「どうすれば、壁の向こう側に行けるのでしょうか?」


「はいっ! 穴を開ける」


雪奈が元気に答えると、健一郎はこめかみに親指を当てる


「いや、壊さない方向で・・」


すると、ルーモが雪奈の肩から、健一郎の肩に乗り移り


(はいっ!)

(びろ~ん、と薄くなって、隙間から入る)


健一郎は頭を抱えて、うずくまる


「それ、できるの君だけだから。人間は無理なの」

「ちなみに、ルーモが入れる程の隙間もありません」


プニョンと、元の形に戻るルーモ


「迷路みたいに、回り道するのかな?

右に行きたい時は、一度左に行くみたいに」

ボソッと、雪奈がつぶやく

すると、健一郎はパンっと手を打ち

「そうかっ! 下に行きたけれは、上に行けと」


雪奈は怪訝な表情で

「上って? 2階ないよ?」

健一郎は得意げに言う

「ふっふっふ~、実はあるんですよ。 ウ・エ」

そう言うと、脱衣場に入り、天井の点検口の下に椅子を持ってきたのだが、そこで異変が起こった


「あれ? 開かないね? ってゆーか、手抜き工事のダミー?」

どうにもこうにも、点検口が開かないのである

ウンウンと、力強く頑張っていると

『ベキボキッ、ドシャッ』

椅子の足が折れて、健一郎は床に転げ落ちた

「あ、壊した」

 (こわした)

ハモる雪奈とルーモを見ながら、腰をさする健一郎

「怪我を心配して欲しいなぁ」

「椅子では強度不足か」

「仕方ない、こちらを・・よっこいせ、と」

脱衣場に置いてある、重さ80㎏以上はあろうかと思われる

ステンレス製スツールと健一郎の、長い戦いが始まった


10分後

「ねぇ、ルーモぉ? どちらが勝つと思う?」

(健一郎、負けると思う)


ギャラリーは冷めた目で見ていた


30分後

「ああ、やっぱり無理か、ビクともしない」

「このやろー」

と、蹴りを入れた、その時




『ピ、ピピッ』

『ガコン』

『ウィィ、ゴロゴロゴロゴロ』

『ガシンガシン』

『ガチャンッ』


「うわわっ! へ、変形ロボットか?」

目が点になっている健一郎

変形ロボ。もとい、スツールは点検口の下まで自走すると、階段になった

そして、プシュッと音がすると、点検口が開いた。

どうやら点検口は、気圧差でロックされていた様子である


「逆転勝利・・だね」

(そうだね)


ギャラリーは、何故か冷静だった


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