入口
3人(?)は、ピカソの前にいた
「さて、問題です」
「どうすれば、壁の向こう側に行けるのでしょうか?」
「はいっ! 穴を開ける」
雪奈が元気に答えると、健一郎はこめかみに親指を当てる
「いや、壊さない方向で・・」
すると、ルーモが雪奈の肩から、健一郎の肩に乗り移り
(はいっ!)
(びろ~ん、と薄くなって、隙間から入る)
健一郎は頭を抱えて、うずくまる
「それ、できるの君だけだから。人間は無理なの」
「ちなみに、ルーモが入れる程の隙間もありません」
プニョンと、元の形に戻るルーモ
「迷路みたいに、回り道するのかな?
右に行きたい時は、一度左に行くみたいに」
ボソッと、雪奈がつぶやく
すると、健一郎はパンっと手を打ち
「そうかっ! 下に行きたけれは、上に行けと」
雪奈は怪訝な表情で
「上って? 2階ないよ?」
健一郎は得意げに言う
「ふっふっふ~、実はあるんですよ。 ウ・エ」
そう言うと、脱衣場に入り、天井の点検口の下に椅子を持ってきたのだが、そこで異変が起こった
「あれ? 開かないね? ってゆーか、手抜き工事のダミー?」
どうにもこうにも、点検口が開かないのである
ウンウンと、力強く頑張っていると
『ベキボキッ、ドシャッ』
椅子の足が折れて、健一郎は床に転げ落ちた
「あ、壊した」
(こわした)
ハモる雪奈とルーモを見ながら、腰をさする健一郎
「怪我を心配して欲しいなぁ」
「椅子では強度不足か」
「仕方ない、こちらを・・よっこいせ、と」
脱衣場に置いてある、重さ80㎏以上はあろうかと思われる
ステンレス製スツールと健一郎の、長い戦いが始まった
10分後
「ねぇ、ルーモぉ? どちらが勝つと思う?」
(健一郎、負けると思う)
ギャラリーは冷めた目で見ていた
30分後
「ああ、やっぱり無理か、ビクともしない」
「このやろー」
と、蹴りを入れた、その時
『ピ、ピピッ』
『ガコン』
『ウィィ、ゴロゴロゴロゴロ』
『ガシンガシン』
『ガチャンッ』
「うわわっ! へ、変形ロボットか?」
目が点になっている健一郎
変形ロボ。もとい、スツールは点検口の下まで自走すると、階段になった
そして、プシュッと音がすると、点検口が開いた。
どうやら点検口は、気圧差でロックされていた様子である
「逆転勝利・・だね」
(そうだね)
ギャラリーは、何故か冷静だった




