没話 続・ときどき、わからなくなるの
完全に没にすることにした頭痛気味で書いたよくわからないやつです。
待たされること100年。地獄の門にたどり着いた涼子さん。上に鎮座するダビデ像。あなや。やはり教会通いは肝要であった。一瞥。地獄の門は開かれた。門の先には受付のデスクがあり、その後ろに閻魔大王がいたが、すぐには呼ばれない。番号札を渡されて、職安時代のようにパイプ椅子に掛ける。「1つあけて座ったら、鬼が殴りに来るので詰めて座らないといけないよ」隣のおせっかいそうなババアが話かけてくる。「ここはね、適材適所。生きてた時にした悪いことで、得意そうなことをちゃんと選んでくれるんだから。あるいみちゃんと評価されて、地獄のほうが平等よ」無視していたらババアは光り、釈迦如来の正体を明し、どこかへフワフワと飛んで行った。飛んでったやつのせいで1つ席が空き、暇な鬼が殴りに来たので慌てて席を詰める。鬼は空欄の履歴書を渡し、我々は待っている間に項目を埋める。といってもほとんど覚えていないので、埋めることはできない。
さらに100年。「閻魔です。おつかれちゃん。履歴書渡して。ふーん、自殺かあ、直前まで…アイドルやってたのか。お、ビックリしてる。これね、空欄じゃなくてもう書いてあるの。人間には見えねえんだなあ。閻魔さんと鬼さんたちの、ちょっとしたお遊びってやつ。お?渋谷!けっこいい事務所だったんじゃないの?まあ売れてるとか関係なしに、平等に芸能人の自殺って多いから、ね。子供で金儲けなんて、親も含めてロクな人間じゃないよね~。きみ、悪人じゃないね~、利用されて。まあでも自殺って結構悪くてね、親は選べねえのにな。古いんだよね、地獄のルールも。こんな悪い親いなかったんだよ、昔は。あとさ、教会いかなかったのが重なって、門ね、聞いてると思うけど。あれキリスト教ルールなのよ。で、君ここまでここまで来ちゃったってわけだ。かわいそうに。運もないなんて。もう人と関わるのいやでしょ。せめて人間と仕事したくないよね。せめて地獄じゃなくて、天界の馬の世話する部門に回すわ。で、君ラッキー、さっき釈迦如来からも、この人を天界に頂戴って言われてたしね。」
地獄に仏。めでたく涼子さんの担当部署は弼馬温に決まった。体育館のように屋根と壁はあるが仕切りのない広大な空間で天界の馬たちの世話をする。普通は馬の体を洗ったり、飼葉をあたえたり、いわゆる馬の世話を担うが、閻魔のとこから来た地獄派遣系の人は馬のウンコを食べてその日の馬の調子を見る役を担う。新人の涼子さんは壁際にそびえる先に縦2メートル幅2メートル奥行10メートルほどの立体に固められたウンコにつれていかれる。「この大ウンコは天界の馬からすべて集めてきたものであり、まず新入りはこの大ウンコを全部食べ、ウン食に慣れること。この儀式をヤフーという。」教育担当が胸を張り、熱心に、いかにこの仕事が素晴らしいかを説くが、涼子さんには「これからウンコをたべるのか」とげっそりするほかなかった。周りを見るとたしかに一部の社員はみな全裸でウンコを食べ、テンプレートにウンコ情報を記入していく様子が見られる。「彼らも昔は服を着ていたが、ウンコにまみれて着られるものではなくなるのだ。」と教育担当は語る。「ためしにしとくち、ほら早く!」と強く勧めてくるので、涼子さん、仕方なしにウンコを手でつかみ、食べる。ねっとりとした食感、繊維質、臭い。即ゲロである。しかし、そのゲロのなかに光る玉なむ一筋ありける。あやしがりて寄りてみるに…。真珠のようなものが紛れていた。「これは…仁丹だ!」叫びはするが、教育担当、ゲロにまみれている仁丹を全く触ろうとはしない。実はこの仁丹、仁丹づくりの名人が、サソリ座のアンタレスで鉄を溶かし、鉛をとかし、天の川の星で衣をつけ、蛇座の汗油でカラッと仕上げた珠玉の仁丹で、そのむかし酔っぱらった制多迦童子が彼の家に小便をかけ、翌日呼び出され、怒られ、腹いせから盗み出し、そこらへんの馬にいたずらで食べさせたものだった。それが溶けずにウンコに残っていたのだ。ただごとではないモノだと気が付ついた涼子さん。びちゃびちゃのゲロからひとすくい、再び胃の中に仁丹を収めた。陰から微笑む釈迦如来。みるみるうちに涼子さんの筋肉は膨れ上がり、体は金に輝き、目と鼻と口から赤い光線が飛び出した。耳に明けたピアスが熱を持ち、体育館を焼く。逃げ惑う鬼、馬、社員、全裸のウンコまみれの人々、教育担当。今や生前の自分におきたすべての不幸を思い出した涼子さん。怒り、悲しみ。その光は天地に影を、影は嵐をもたらした。咆哮が世界の果てまでこだました。天地は渦巻き、創造の姿へ戻らんとする。まずは一撃、地獄の門を鉄拳制裁。目指すぜ地上。待ってろ人間。




