表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/25

ロードの1日・1


ロード「勉強より運動する方が好きでした」


ベルグス「俺は逆だな!」




ロードの朝は早い、日の出ていないうちから、起きて直ぐに着替えると眠い眼を擦りながら父の部屋へ挨拶に向かう。

そして、父としばらく談笑したあと二人で庭を軽くランニングし昨日と同じように素振りを終えて打ち合いをする。

少しすると、カタリナから朝御飯の支度ができたと声がかかり、二人で揃って食事をしてから、仕事に向かう父を見送る。



「行ってくるよ」



「「「「いってらっしゃいませ、旦那様」」」」



『お父様、いってらっしゃいませ!』



ルイスは名残惜しげに、娘と使用人達に見送られ馬に乗り城へと向かう。



「ロードお嬢様、ユーベルグ様とムルグ様がお見えになる前に着替えてしまいましょうか」



『あ、そういえば今日は、先生達の来る日でしたね。すっかり忘れてました』



父の背中が見えなくなるまで見送っていたロードは、カタリナの言葉にはっとしたような顔をしたあと、授業で使うための本を取りに書斎へと向かう事にした。

ユーベルグは、数日前から教養の授業担当をすることになったエルフ(ダークエルフ)の先生でムルグは、今日から魔術を教えてくれる事になっている冒険者ギルドのA級冒険者でエルフである。

魔法は、エルフ族以外では使えるが少なく簡単な魔術しか出来ない者も多いが、ロードは母がエルフ族だったこともあり強い魔力を持っていたのでルイスが冒険者ギルドに依頼したのだった。



『すっかり忘れていた、今日から本だけじゃなくてちゃんとした魔術師から魔法を教わることができるだなんて』



にこにこと嬉しそうに笑いながら、どんな魔法が使えるようになるのかと考えているロードの後ろに誰かが静かに歩みよってきた。



「お嬢様、魔法の勉強は午後からですよ。先に、ユーベルグ様の教養の勉強です」



振り替えるとそこには、呆れた顔をした黒い執事服を着た虎の獣人族の青年が立っていた。



『グレイ・・・わかってるよ。確か、今日は国の成り立ちや種族についての話をするって言ってたな』



面倒くさそうに言うロードに、グレイと呼ばれた青年はため息をこぼして言った。



「お嬢様は、時期当主なんですからしっかり勉強なさってください」



このままだと説教が始まると悟った、何度かグレイの説教を受けているロードはグレイの説教が長い事を知っている、グレイは一度語り出すと止まらないこのままでは、書斎に本をとりにいけなくなると思っていた。

そのためロードは、無理矢理にでも話題を変えることにした。



『ねぇ、グレイ。今は僕たち以外いないんだから何時もの口調に戻してよ。グレイに敬語を使われるとなんか、むず痒い』



自分の幼馴染みでもあり兄のような存在のグレイから敬語を使われる事に未だになれず、両手で腕をさすった。

立場上、仕方がないとはいえ直ぐに馴れることが出来ずに気になってしまうのだった。



「全く、わがままなお嬢だな」



グレイはニヤリと笑うと、前髪をかきあげ先程までの態度を崩した。その様子にロードはやっぱりこっちの方があっていると思い笑った。



『別に良いでしょ』



「はいはい、じゃあ本を持って部屋に行ってろよ。ユーベルグさんが来たら連れてくから」



『はーい』



書室には、ロードの父であるルイスが若い頃に集めたであろう本がところ狭しと並んでいた。初めて見る者なら気圧されるであろう本の数である。

ロードは、何度も来ているためそんな事など気にもとめず奥へと入っていき歴史や種族について書かれている古めかしい本を手に取った。



『あった、使ってなかったから大分ボロボロだね』



本の表紙を撫でながら、他に使いそうな本がないかを周りの本棚を物見しているとふと目に入った本があった。



『これは、神話だ。それも魔族と英雄の戦いについてかかれた本。こっちは、パーシェロ帝国の剣帝についての物語かな?向こうは、魔物の図鑑?ぽいかな』




ほかにも気を引く本が沢山ありロードは、ユーベルグが来るまで少し時間もあることだしと本を読むことにした。

その本を読み進めていくと以外に面白く時間が経つのをすっかり忘れてしまっていた。



『あ!いけない!ユーベルグ先生の事を忘れてた!』



ふと、気がつくといつのまにか、少しで授業の始まると時間になるところだったので、ロードは大慌てで自室へと走っていた。廊下ですれ違った他のメイド達が呆気にとられるのもお構いなしで必死に走った。

そのかいあってか、部屋にはまだユーベルグは来ていなかった。



『ま、間に合った!?』



ロードは荒くなった息をなんとか整えてから椅子に座り乱れてしまった、服の裾や髪の毛を整えているとそこに、グレイがユーベルグを連れて入ってきた。

ユーベルグは、エルフ(ダークエルフ)で知的な雰囲気のある男性である。

ギリギリ間に合ったロードは冷や汗をかいていた、ユーベルグは時間に厳しい先生なのであと少しでも遅ければ・・・きっと圧力のある微笑み(黒笑)を浮かべながら怒られていたに違いないと内心恐怖しているロードの様子を見てグレイは、何となく事情を把握したがユーベルグは気づいてないようだった。



『お、おはようございます。ユーベルグ先生』


「えぇ、おはようございます。ロードお嬢様」


「それでは、私はここで。ご用がございましたら何時でもお呼びください」



グレイが部屋を出て行くとユーベルグは、さっそく授業の用意に取りかかろうと、鞄から本を数冊と眼鏡をとりだしロードに向き直った。



「それでは、授業を始めましょうか。まず始めに、フェルノートの歴史からにしましょうか。ロードお嬢様は、フェルノートの初代国王の事を知っていますか?」



『はい。確か、人族で元はレンデル王国の冒険者をしていて、この地に住んでいた邪竜を倒して国を作り、国王になられたのですよね?』



ユーベルグの問いかけに、ロードは自分の覚えている初代国王の物語を思い出しながら答えました。その答えに、ユーベルグはにこにこと笑いながら



「えぇ、そうですね。ですが、彼が実は人族ではなく龍人族だったことはあまり知られていませんね」



『え?、、、ひ、人族じゃなかったんですか?今の国王は人族ですし・・・』



さらりと何でもないことのようにかなり重大な真実を軽く言ってのけたユーベルグにロードは混乱し、軽く冷や汗を流しているというのに、とうの本人は気にしたようすもなく



「ちなみに彼は、甘いもの好きの甘党だったんですよ。見た目に合ってませんよね」



などと、言いつつ笑う始末である。

確かに、初代国王は、厳つい顔をした大男であったのでユーベルグの発言には同意してしまうのだがそれよりも気になることがあった。



『あ、あの?何で、そんな事をご存じなんで、、、というか、さっきの初代国王の話といい、本当何ですか?嘘ですよね?ユーベルグ先生』



と疑うそぶりを見せるロードに、ユーベルグはふふふっと笑いながら



「さぁ、何故でしょえね~」



因みに、ユーベルグは二千年ほど生きている為の初代国王の事を知っていても不思議ではない。

答えをはぐらかされてしまったロードは、何とも言えない気持ちになりながらも、授業を再開したユーベルグの話を聞きつつ紙に纏めるのだった。



「それでは、次は種族についてのお話です。まずは、人族から話しましょうか。人族は最も人口が多く特にこれと言って、優れているものがあるわけではありませんが全体的に平均的で基本的にどんなことでもできます。そして、どんな場所でも生きていけるほど適応力がありどの種族とも関わりを持とうとするほどコミュニケーション能力の高い種族ですね」



人族はこの世界で最も多い種族とされており先ほどの話のようにどの国にもいる、この国の王族も大半が人族である。



「エルフ族は、魔法が使える種族として有名ですね。基本的に森の中に住んでいて白い肌をした者をエルフ、褐色の肌をした者をダークエルフとして呼び分けますが基本的にそこまで変わりはありませんね。強いて言うなら、エルフは気難しく礼儀を重んじますがダークエルフは、好戦的で陽気な性格の人が多いと言われていますね。まぁ、たまに例外が存在しますけど」



ちなみに私は、ダークエルフですよと笑うとユーベルグにロードは見たらわかると言いたかったがにこにこと笑う顔を見てるとそうですかとしか言えなかった。そして、ロードの母はエルフである。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ