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初めての迷宮・2・・・~ベル視点~



ベル「選択を間違えれば死ぬ!慎重に慎重になるべきだ・・・」



ロイ「(少しは落ち着きが出るかなぁ)」








迷宮の中は辺りが見回せないほどではないが少し薄暗いため、いつ魔物が飛び出してきても良いように警戒を怠れない。

ディアを先頭としてその後ろにリツキ、殿は俺と言う順でならんで進んでいる。途中で何度かゴブリンやコボルトと出会ったがレベルはそこまで高くはないようでディアの風の魔術で瞬殺していて地味にディアが強くてポカンとしてしまったが気を引き締めて辺りの警戒に戻る。




「(これ、もしかしたらディアだけで無双できそうか?)」




等と考えていたがディアが額の汗を拭う仕草をしていたのでディアはかなりの魔力を消費したと言うことなのだろう、いくらエルフとは言え子供の(自分からしたら人族の大人ぐらいの歳だが)ディアはいくら弱いとは言えかなりきついんだろう。

何でこんな時に俺は、何も出来ないんだろう剣や魔術の勉強もしたが何一つ出来なかった・・・

せめて、少しでもディアに負担をかけないように辺りの警戒をしっかりしよう。





「あの、なにか聞こえませんか?」



「え?」



「?いや、何も聞こえないが・・・」




リツキが目の前の分かれ道の左側の道を見ながら言ったが俺にもディアにも聞こえなかったので聞き間違いじゃないかと言おうとしたがリツキの顔があまりにも真剣で何も言えなくなりリツキと同じ左側の道を見ていると視線の隅でディアが小さく反応した。



「なにか来る」



「また、音が・・」



「・・・」



俺には全くわからなかったが、二人が言うのであればなにかがあるのだろうと気を引き締めると、俺の耳にも確かに足音が聞こえた。



「!い、今足音が」


「かなり近いみたいです」


「皆、気を付けろ」



目の前を睨み付けながらディアが戦闘体勢に入ったのを見て俺も睨み付けるように真っ直ぐ視線を向ける。

俺達の視線の先に現れたのは、赤黒い肌を持ち大きな牙と鋭い爪を持つリツキたち鬼人族とは違う鬼のようなものがいた。



「オ、オーガ!」


「普通のやつよりでかいな、突然変異体か」


「ひっ!」



俺は、昔やっていた(この世界に来る前に)RPGでお馴染みの存在に驚いた声をあげたがディアは冷静に分析を初めてリツキは、恐怖に染まった顔で小さく悲鳴を上げた。



「グオォォォォォ!コ、コドモ、ニンゲンノコドモ!クウ!!」



「逃げろ!!」



オーガが喋ったことに驚いて固まった俺とリツキにディアが大声をあげて叫び火の魔術のフレアボムを発動しオーガにぶつけた。

オーガの悲鳴を上げたその瞬間にディアが俺達の手をとり走りだいた。



「グオォォォォォ!!!!ギ、ギザマラ、マデェェ!」



後ろから追いかけてくるオーガの声と足音に怯えながら必死に走る俺とリツキに前を見ながらディアが何とかして引きはなそうとスピードをあげるが俺は、足の痛みが酷くなり引っ張られてようやく走れるぐらいにまで疲労していた。

すると後ろからオーガが小石を投げた始めた魔獣は知能が低いためそんな事を考えるとは思っていなかった俺が振り返るのとちょうど怪我の場所にオーガの投げた石がぶつかるのはほぼ同時だった。



「!!!!!」



口から声にならない悲鳴が出てディアと繋いでいた手が離れてしまった。

ディアとリツキが立ち止まりこちらに来ようとするが俺は、声を張り上げ止めた。



「ベル!」



「ベルさん!」



「来るな!早く逃げろ!!」



「出来るわけないだろ!」



「そ、そうです。そんなことできません」



二人は俺の言葉を無視して此方へ来ると両脇から腕を肩にかけ引っ張るように歩こうとしたがそれよりも早くオーガが俺達の元にたどり着いた。



「キサマラ!ヨクモォォォ」



全てがスローモーションのように見えた、手にもっていた武骨な剣を振り上げるオーガから助けるため両脇にいる二人を前に突飛ばし驚いたように此方を見る二人に笑いかけた、まさかこんなところで死ぬなんて姉さんが泣くだろうなっと考えつつ目をつぶると背後で激しい落雷のような音がして何かが倒れる音が響いた。



「え?」


「は?」



「・・・・・・」


「ほぅ、一撃か」


「こ、この女マジで恐いッス・・・」



背後と前から声が聞こえたので目を開けるとポカンとした顔をしている二人が目に入り、恐る恐る振り返ると一撃で殺られたのか怒りの表情のまま死んでいるオーガとその後ろに氷のような絶対零度の笑みを浮かべる姉さんと男性が二人が立っていて獣人族の方は感心したような顔をしていたがもう一人の人族の方は引きったような顔をしていた。

俺の顔も人族の人と同じように姉さんの顔を見て引きった顔をしているのだろうと現実逃避していると姉さんがさらに笑みを深めて俺たち三人に言った。




「言いたいことは、山ほどありますが。一先ずこの迷宮から出ましょうか。ベル、リツキ、ディア」





「「「は、はい」」」





俺たちさんは、怒らせてはいけない人を怒らせたようだ、、、





「(オーガより怖い。俺、死んだな)」








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