その頃、大広間では・・・~ルイス視点~
ロード「お父さんの視点ですね」
ベルグス「向こうは、どうなっているんだろうな?」
ルイス視点
娘が騎士に連れられベルグス王子の元に行った。
あの子とベルグス様ならきっと仲良くできるだろうと安心しつつ、王や王子を狙うような輩がいないか辺りに気を配る。
「ベルグスとロード嬢が仲良くなるとよいのだが」
そう言いながら、ユグルドは手に持っていたグラスの中身を飲み干してロードが出て行ったドアを見ている。
相変わらず親友は心配性だと内心苦笑しながらルイスはユグルドに告げた。
「大丈夫でしょう。ベルグス王子は人懐っこい方ですし娘も人見知りのしない方ですから」
「そうだな、お前が言うのなら心配あるまい」
ルイスの言葉にユグルドは笑みを浮かべた。
そして、近くを通りかかった執事から2つ新しいグラスを受けとり片方をルイスに手渡した。
「勤務中ですよ」
「そう固いことを言うな。他の騎士もいるのだ少し位いいだろ?それに、これは酒じゃない」
ニヤニヤと笑いながら自分にグラスを押し付けるユグルドにため息をついてグラスをうけとる。
ユグルドが一度言い出したら梃子でも動かない事を良く知っているルイスは仕方がないと諦めたのだ。
ルイスがグラスに口をつけたその時、遠くで爆発音が響き城が大きく揺れた。
その衝撃により倒れそうになるユグルドの腕を掴み耐える。
「(爆発音と揺れ・・・考えられるのはこの城が攻撃を受けていると言うことだな。一先ずの王族(ユグルド達)を逃がさなくては)」
「一体何が?」
「城が揺れたんだぞ‼何が起こってるんだ‼」
「逃げた方がいいのでは!?」
揺れはおさまったが、周りの人達がパニックになり散り散りに逃げてゆく中王子達を連れた守護騎士と王妃達を連れた騎士団の部隊長が集まってきた。
ルイスは腰の刀を抜きユグルド達に告げた。
「この城が攻撃をされている。私達の最優先任務は王族をこの城から逃がすことだ、無駄な戦闘は避けるぞ」
「「「「「「はい!!!」」」」」」
「ここから近いのは、奥の第三通路だな」
「いや、待って下さい!」
「どうしました?バルトール王子」
突然声を上げたバルトールにルイスが尋ねた。
「弟が、ベルグスが別の部屋にいるんです。ベルグスを助けに行きましょう!」
バルトールの言葉にザイルとイリスが頷き、ユグルドは少し考えるように顎に手を当てて考えているがルイスはバルトールを見てはっきりと言った。
「いいえ、ベルグス様の所へは行きません」
「何故ですか!?」
驚きルイスに詰め寄るバルトールの肩に手を置きルイスは言った。
「大丈夫です。ベルグス様には私の娘がロードがついています。あの子は私が鍛えた騎士です、必ずベルグス様を守りとうしますよ」
「・・・そう、ですね。ベルグスには、ロード嬢がついているから大丈夫ですよね」
ルイスの言葉に納得したらしいバルトールは、守護騎士のマチスに連れられ後ろに下がって行った。
「納得したようですね?それでは、行きましょう(ロード、、、、、必ずベルグス様を連れて来いよ)」
ルイスは、ユグルド達を連れて大広間を出て行った。
ロードがベルグスを連れて追いかけて来るのを信じて、、、、