我が戦いは此処より始まる‐2
突発的ではありますが、これからでる予定or出番なしのカードを気まぐれに、冒頭部分で紹介させてもらいます。
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守護騎士-疾風のウェイン
Lv1
PLv3
《タイプ》メッセンジャー/スカウト/ナイト
《スキル》このサモンズが召喚に成功した時、手札からLv0~2までのサモンズを召喚する
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義兄弟の誓い
《スペル》このスペルは、《タイプ》を一つ指定し、その《タイプ》を持つ三体までのサモンズのPLvを3上昇させる
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「………」
リョーマはベッドの上で目を覚ました。外では、小鳥のさえずる音が聞こえる。
「……」
そして、しばし呆然とする。
実感が湧かなかった。
しかし、周りを見れば見たことのない調度品や、歴史資料館などでみたものと形は少々異なるが、ぱっと見た材質は同じ家具などがあり、ここが異世界であるということが理解できた。
いつまでもボーっとしているわけにもいかない。まずは手渡されたデッキの構成を確認しなければならない。
サモンウィザーズプレイヤーにとってデッキは相棒であり、リョーマにとってはこの異世界を生きる上での命綱でもある。
それに、どういうデッキ構成なのかおぼろげながらでも知っていれば、ノリと勢いでなんとでもなる。
「……」
「失礼します」
「あ、どうぞ」
不意に、ノックする音が響き、一拍遅れて氷のように冷たい声が聞こえた。
まあ、特に断る理由もないためリョーマは、声の主を部屋に通すことにした。
「リョーマ様、今日はご入学の日です、ご支度を」
「アッハイ」
声の主はメイド服を着た女性で、リョーマは何となくその女性の名前を覚えていた。
(確か、メルダさん……だったよな)
なぜ覚えているのかは分からなかったが、神様がそこらへんを何とかしてくれたのだろうということで勝手ではあるがそういうことで納得することにした。
メルダさんに連れられ、支度を済ませるリョーマ。そして、玄関へとたどり着く。
「行ってきます、メルダさん」
「いってらっしゃいませ、リョーマ様」
ドアを開けると石造りの街並みに、ファンタジー小説で見たような服装の人々が往来を行き交う道など、リョーマに、自分が異世界にいることをこれでもか、と分からせた。
学園までの道の途中で、リョーマはおもむろにカードデッキを取り出し、眺める。
あの少年は助かったのだろうか、真相は今となっては知る由もないが。