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春休みが終わり、暖かい春の陽気とともに高校二年生になった俺は一年生の頃とあまり変わらない日常を過ごしていた。朝は6時に起き、ゆっくり頭を覚ましながら学校に向かい、それなりに多くいる友達達と話したりして、午後4時になると帰る。ひたすらこれの繰り返しだった。だけどそれだけだとさすがに飽きてくるのが16歳の少年なのである。たまにはいつもと違うことをしてみたいと思っていた。そんなある日のことである。友達の本野聡がぼんやりした表情で言った。「なあ、ヒーロー検定って知ってるか?」「なんだそれ?」「質問に答えるとその人のヒーローの適正が出るんだとさ、俺の兄ちゃんが言ってた」「お前の兄ちゃん大学生じゃん、まだそんなのやってるのかよもしかして・・・中二病?」「うるさいな、心は少年のままなんだよ、それよりほれ、これやってみようぜ」
そういうと友達はスマートフォンの画面を見せてきた。
「んじゃあやりますか、お前の兄貴については深く聞かないでおいてやる、なんか怖いから。で、なんて検索したら出る?」「何も怖くねぇよ!・・そのまんま」「あいよ」
俺は何の疑いも持たずスマートフォンのインターネットを使ってそのサイトを出してアンケートに答えていった。なになに・・・?
1、あなたの大切な人が目の前で殺されようとしています。あなたはどうしますか?yes、or、no
大切な人・・・お母さんとか?あ、親戚の信彦おじさんとかか、うん、yesかな。
2、今隣にいる人、もしくは一番仲がいい人が死ぬか死なないかの瀬戸際です。でも助けたらあなたも死んでしまうかもしれません。あなたならどうしますか?yes、or、no
隣にいる人はー・・本野か、うん、no、たぶん大丈夫。自力で生き返りそう。次は・・っと。
3、同じことの繰り返し、ただ平凡な毎日を変えたいですか?yes、or、no
yes。
4あなたは今が楽しいですか?yes、or、no
まぁ、それなりに楽しいかなyes。
5、もしヒーローになったとしてほしい力は何ですか?
こんなの決まってる。絶対に勝つ力・・・っと。
6、あなたは高校生ですか?yes、or、no
yes。
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30、メールアドレスを入力してください。(結果を送信します、なお、集計のため結果を送信する事が遅くなることがあります。ご了承ください)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※っと。
31、これで質問は終わりです。ありがとうございました。
終わったか、どれも意味不明な質問ばかりだったな
「結果来るの遅いみたいだし今日は帰るか、結果は明日報告な」「あいよ」
こうして俺と本野は学校を出て、各々の家に帰ることにした。帰り道本野がよそ見して運転していたせいで電柱にぶつかり奴の自転車が大破したが俺はそのまま家への道を走り出した。