どこかにいるのです
隅々と晴れ渡る秋の空。目を覚ましてまずみたのがそれだった。のそりと起き上がる自分。一面が緑の草原だった。向こうのほうには森が見えている。
「世界が、ある」
内心、ホッとしていた。取り乱しての行動だったから。身よりのない自分はとぼとぼ歩き出した。
まちにはいってきがついた。まず、自分の耳はなぜかけもみみだ。狼のね。周りがふつうなのに自分だけというのはいやなもので。
そして、町の人たちがときどきちゅうをタッチするどうさをみせる。
自分もやってみようと思う。
左手を縦に振った。驚いたことにメニューと書いた薄水色のいたが出てきた。
上から順に、
装備
アイテム
スキル
ステータス
と、なっている。
「へーー・・・」
はい、驚きだ。
右手を縦、横にふるが反応なし。
左手を横に振る。反応あり。
「なにこれ?」
紫色のメニューが数十個展開されている。
〈システムログイン・・・完了〉
欄の右上に管理者メニューと書かれていた。
とりあえず、適当に装備を変えることにした。
容姿の方もすっかり変わっていた。こしまである長い銀髪に百二十センチない身長。青い目にあどけない顔だ。まず、耳隠そう。幸い、最後に持っていたアイテムは全てアイテムの欄にのっていた。
茶色いフード付きのローブを全身にまとう。すこし、地面にずるがしょうがない。自分はとりあえず町探索でもと思い、レンガの地面を踏み出した。