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希望のエピローグ

魔王はたくさんの人間の兵士に囲まれていた。

彼は体中に傷を負っていた。

死にたくても死ねない体になったと思っていた彼は笑みを浮かべる。


「なんだ、死ねるじゃないか」


もし、神様とやらがいるのなら、この為だけに自分を生かし続けたのかもしれない。

皆仲良く幸せに暮らせる世界を作るための手段として生かし続けたのかもしれない。


それは、残酷で勝手な行為だ。


「だが、悪くない」


魔王は不敵に笑った。


人間の兵士達が魔王の様子を窺っている。


「どうしたぁっ!?」


魔王は叫ぶ。


「ここだ!! ここにいるぞ!! 私だ!! 貴様達の敵は私だ!!」


吼える。


「貴様達の敵は、ここにいるぞおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


人間の兵士達が魔王に向かって銃弾を放つ。

魔王を包む魔力のせいで銃弾が届くことはないが、注目を引くには十分だった

後ろから、人間の兵士が魔王に向かって突っ込んで行く。

 兵士の剣が魔王に届いた。

 激痛に顔をしかめながらも魔王は最期の力を振り絞り叫んぶ。


「私は何度でも蘇って貴様達を追いつめてやるっ!! 覚悟しておけっ!!」


薄れる意識の中で、青い空を見上げて彼は心の中で呟いた。


「私は君のことをまだ覚えているよ。君は私のことをまだ覚えてくれているかい?」



◇◆◇



魔王がこの世を去った後、人々は「皮肉なことに魔王が平穏を齎してくれた」と囁き合うようになった。


いつか、この魔王の存在も忘却症によって忘れ去られ、争いが再び始まるかもしれない。


 だけどそれは、まだ当分は先の話だ。





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