雨音
都市伝説に関わるお話です。
雨は今なお降り続いている。
ザァザァと全てを濡らし、雨音で全てを隠す。何かを偽る為に――。
人々は突然の雨に未だに焦っている。
傘をさす者も居る。鞄を傘の代わりにする者も居る。
然し濡れて行く者は無く、何かしら対策をとっていた。
慌てる人混みの中、異様な姿をした者がいた。
傘もささず全身ずぶ濡れで白い白いワンピースが腕や足に張り付いている。
然も裸足でその足にも彼女――と思われる――の碧がかった長い髪がまとわりつき、顔にも張り付いていた。
彼女の表情は不思議と明るい。
雨が小降りになり始めた頃彼女はひしひしと降る雨に対しペタペタと走り回り、まるで踊っているようだった。
ぱしゃ、ぱしゃ、と水溜まりの水が小気味良く跳ねる。
然し誰もそんな目立った行動をしているのに、気に掛けない。
やがて彼女は人混みに入り、二度と姿を現さなかった。
まるで雨のように。
雨に溶ける雪のように。
友人にこの事を話すと必ず皆が口を合わせて
「都市伝説のアレだ」
という。
雨の日には小さな女の子の幽霊が現れる。この幽霊は雨が大好きだったが、スリップしたトラックに轢かれて、首が鄭斬れた子の幽霊である。
実は炭酸水が異常に苦手な、鑿屋です。
タイトル通りの『都市伝説』のお話です。




