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4.妖精の森

お題

・交換条件

・すきま風

・片方だけの靴


ChatGPTより

エレナは後悔していた。

山菜の豊富な妖精の森で完全に迷子になっていた。


大人たちの忠告を真面目に聞いていればと思うがもう後の祭りだ。

「森の恵みに手を出してはいけないよ」


せっかくいっぱいあるのだから、ちょっとくらいいいじゃないかと森の入り口で山菜や木苺を収穫していた。

つもりだった。

一歩入ったところ、ちゃんと森の出口が見える位置で採集してたのにも関わらず、顔を上げたときには深い深い森の中だった。


慌ててきたと思われる方向に走るが、木々が生い茂って行く手を阻み、風がざわめいて町がどちらかわからなくなった。

しまいには石畳のある場所が現れて、ようやくだれか人がいるかと思って一歩踏み出せば、床が霞のように消えて遺跡の中に落ちてしまった。

歩けど歩けど出口がわからず、上へ上る階段を見つけるたびに上がるも似たような風景。

丸で一日中歩いたかのような疲労を感じてへたり込んでしまった。



ふと、背にした壁から風が出ていることに気づく。

背後の壁をぐっと押すとズリズリゴゴゴと重い音とともに小部屋が現れた。


「キャッキャ!人間!ようやくわかった」

「キャッキャ!人間!おそいおそい」


小部屋には何匹もの妖精が思い思いの色で輝いている。

妖精の光で部屋は黄金色に見えた。


「あ、あの。森の恵みは返すので、おうちにかえらせて」


手に握りしめたままの籠を差し出す。


「キャッキャ!やだやだ!」

「キャッキャ!帰るならもっとおもしろいもの!」

「キャッキャ!足のそれ!ちょうだい!」


妖精たちは足元に群がり、エレナのブーツにまとわりつく。足がふわっと持ち上がると思わずしりもちをつく。

器用に紐を取った妖精たちに片足だけ靴を脱がされてしまった。


「キャッキャ!これで!そろう!」

「キャッキャ!やった!やった!」


何匹化で脱がしたブーツを掲げながら、部屋をくるくると飛び回る。


「キャッキャ!人間!ついてこい」

「キャッキャ!ついてきて!ついてきて!」


髪やら服やらにまとわりつかれ、ひっぱられる。


ただの壁だと思っていた場所が蜃気楼のようにゆがみ通路になる。

連れていかれた先はまた別の小部屋だった。


その部屋は、他の遺跡の部屋と違い、椅子に机、ベッドや本棚があった。

そこには一人の男の子がいた。


「き、きみはだれ…?」

「キャッキャ!おまえ!これやる!」

「え、靴?ありがとう。でもこれ君のじゃ…」


男の子は片方だけしか靴がなかった。


「うん。帰るならちょうだいって言われて、取られちゃったけど…」

「そっか、それならこの靴は君が履いて帰りな。」

「いいの?」

「いいよ。ね、いいよね?」


「えー!えー!返しちゃうの?」


「やーだ!やーだ!」


「つまらない、つまらない」


「いやじゃないよ。返してあげるんだ。そして森の外まで送ってあげて」


「もー、わかった」


「しょうがない、しょうがない」


ふわりと風がまとい体が浮きあがる感覚がしたと思うと、視界がまぶしくなる。


気づくと朝入ってきた森の入り口にいた。


向こうからは父と母が走ってくるのが見える。


さっきのはなんだったのかを考えるよりも、これから叩かれるであろうお尻の痛さを想像してしまい、口がへの字にゆがんだ。

お読みいただきありがとうございました。

難しい…。

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