表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

いつも先手をとられるので、ベランダで先手をとってみた

作者: 狭間梗也

 

 ーー友達になろっ?


 差し伸べられた手を、今でも覚えている。


 それが始まり。


 ーー腐れ縁でも、良くない?


 近すぎて曖昧な関係を、1歩踏み出させてくれたのは、やっぱり彼女で。


 いつも手を引かれて歩いていくのは、全然構わないんだけど。


 かといって、自分の気持ちを告げる事はしたことないなと言うことでーーーー。














 ーー結婚しようよ。


 とアパートのベランダで言ったら。


 ーーーー。


 ぽかんと口を開けて、無言になってしまった彼女がいた。


 その日は夏祭りという事もあり、外は祭りの喧騒と、花火の音で騒がしい。


 ああ、きちんと聞こえなかったのか、と。


 1歩踏み出し、彼女の手を握る。


 彼女が肩を震わせた気がしたけど、それでも構わず。


 ーー好きだ、結婚しよう。


 今度は聞こえるように、はっきりと、彼女の目を見つめていうと。


 ーーーー。


 今度は彼女は涙をこぼす。


 彼女の態度に僕は慌ててしまう。


 そんな僕に、彼女は言った。


 ーーはじめてだ。


 ーーえっ?


 ――君が、自分からそういう事言うの。


 涙を拭って、彼女は笑う。


 その笑顔は今までのどんな笑顔よりも、魅力的に映る。


 ――私ね、君の事が好きだよ。でも……君が私を好きかどうかはわからなかった。


 だって、いつも黙ったままだからと彼女は言った。



 そう言われると、返せる言葉はない。


 事実だったから。


 困った僕に、彼女は再度笑う


 ――だけど、いいんだよね? 私自信を持ってもさ。


 そんな魅力的な笑顔で言われてしまえば、僕の答えは一つだけ。


 勿論という言葉と花火が夜空を彩ったのは同じ瞬間。


 直後に激しい轟音が鳴り響く。


 聞こえたかな、と思うけど。目の前の姿に顔が綻ぶ。


 それは――


 彼女がとても綺麗な笑顔の華を咲かせていたから(終)

最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
素敵なプロポーズのシーンですね。 彼女の言葉や笑顔から、二人の過ごしてきた時間が窺えて、心が温まりました。 背景の花火も含めて、のちの二人のいい思い出になりそうですね。
 ベランダでのプロポーズは君と彼女が過ごしたこれまでの時間の中では、僅かな時かもしれませんが、これまでの積み重ね、言葉の重さを感じます。  とても素敵なシーンですね。  拝読させて頂きありがとうご…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ