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【商業化進行中☆】悪役転生令嬢、メモに書き起こした王子たちの攻略情報を本人たちに送付してしまう。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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58/66

58:ラウルは受け入れる。

 



 □□□□□




 いつだって、覚悟していた。

 いつかはこういう日が訪れると、分かっていたんだからな。


 幼い頃から高飛車なイザベル。

 黄緑色の髪の毛を振り乱し、あれやこれや好き勝手に命令してくる、可愛らしい存在だった。

 普通の子どもなら、『将来は王子様と結婚する』などと夢見るものだろうが、イザベルは違った。


『わがやの、ちい(地位)をかんがえると、こうしゃく(侯爵)あたりと、けいやくするわよ』


 五歳にして、そう言い放つ子だった。

 当時、意味がわからなくて両親に尋ねて苦笑いされたものだ。そして、その時から覚悟をしていた。


 貴族は契約結婚をすることがままある。地位が高ければ高いほど自由とは限らない。高いからこその雁字搦めの因習もあるのだと。




 イザベルを通じてユリウス殿下に出会い、騎士となり、忠誠を誓った。

 騎士の忠誠は、主人に命を捧げるものだ。自分の命より、大切なものを得た。これも因習なのだろうが、俺はそれに誇りを持っている。

 イザベルもきっとそう。家に誇りを持っている。だからこそ、家同士での繋がりのために結婚することを、昔から覚悟していたのだろう。


 ――――と、思ってたんだけどなぁ?


「殿下のこと、好きなのか?」


 イザベルを屋敷に送り届ける馬車の中で、つい聞いてしまった。一瞬で真っ赤になり、顔を背けて窓の外を見たイザベルの反応で理解する。


「…………知らないわよ」


 弱々しく紡がれた言葉が、真実なのだと伝えてくる。


「この場だけの戯言だと思って聞いてくれ。二人きりになる機会はそうないから……」

「ララ、いるんですけど?」


 イザベルの隣に座り、空気に徹している侍女に視線を向ける。目をつぶり、軽く一礼された。何も聞かなかったことにしてくれるだろう。


「彼女は聞いていない」

「そんな無茶な……」


 呆れ返りながら、こちらに視線を戻してくれたイザベル。ちゃんと話は聞こうとしてくれるんだよな。

 こういうところは、昔も今も優しい。


「なぁ、イザベル。俺は幼い頃からイザベルが好きだったが、一ミリも可能性はなかったのか?」

「ありがと。ないわよ」

「だよな。理由は?」

「だって、ラウルは家族だもの」


 ――――あぁ。


 なんだろう。好きだとかなんだとか、そういうものを超えた愛を感じた。異性間のではない、慈しむ愛。

 それで満足してしまえるのだから、俺のこの想いもそういうものだったのかもしれない。


「殿下を裏切らない限り、俺はイザベルを護り抜くよ」

「当たり前じゃない」


 何を馬鹿なことを言っているんだ、というような表情。眉を少し寄せて、ちょっと呆れたような顔。


「ふっ、はははは!」


 あぁ、イザベルはイザベルなんだな。

 ちょっと変わってしまったような気がしていたが、根本的なところは同じなんだよな。

 殿下はまだ少し戸惑っているようだが。


 俺は小さな優越感を胸に秘めた。

 やっと、前に進める気がする。

 



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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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