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【商業化進行中☆】悪役転生令嬢、メモに書き起こした王子たちの攻略情報を本人たちに送付してしまう。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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48:クリスティーナの想い。

 



 クリスティーナが、エドヴィンが出て行った扉をじっと見つめていた。


「……大丈夫?」

「っ、わからないです」

「なにが?」

「好きとか嫌いじゃどうしょうもないことがあります」


 確かにそうよね。どうしようもないし、どうにもならないことって多いわね。貴族って自由そうに見えるけど、本当はたくさんの縛りの中で生きている。

 今は多少緩んでるけど、平民みたいに愛や恋や触れ合いを経ての結婚は、ほんの一握り。

 女性が外で働く、手に職を持つなんて、以ての外。

 なのに、侍女は許される。

 パン屋さんをしたい子だっているはずだ。花屋さんをしたい子だっているだろうに。


 親の反対を押し切ってもいいけど、そうすると待っているのは絶縁がほとんどだ。

 このレールの中で私たちはどれだけ自分の心を守れるのか。


「そうね。クリスティーナは、もう諦めてるの?」


 たぶん、この子は幼い頃は心からエドヴィンが好きだったんだと思う。そうじゃなければ、今もこんな風にお互いが一緒にいることが当たり前のようにはならないから。


「私、狡いんです。エドがもし踏み出してくれたら、閉じた宝箱を開けようって……決めてたんです。将来どんなことになってもって……」


 クリスティーナはど天然だし鈍感だけど、頭が悪いとか考えてないとかじゃないのよね。

 あと、一度決めたことは、やり通す子だったのはよく覚えてる。すごく真面目だなぁ、私こんなに真っ直ぐに走れるかなぁってゲームしながら思った覚えがあるもの。


 たぶん、今回のことも、エドヴィンの行動しだいでクリスティーナが将来を決めるって聞こえるように言ってるけど、本当のところは違うんだと思う。

 

「エドヴィンのこと、大切なんだね」

「っ、はい」


 大切だからこそ、好きだからってだけでエドヴィンの将来を潰したくないんだろうな。それに家族との絆もある。でも、エドヴィンが踏み出すのなら、クリスティーナは全てを捨てて一緒になる覚悟が出来てるのか。

 

「クリスティーナは凄いわね。偉い、物凄く偉いわ。その気持ち、ちゃんとエドヴィンに伝えなさい。こんな仲違いのしかたは嫌でしょ?」

「っ、はい……」


 エドヴィンはたぶん馬車でクリスティーナを待っている。

 だって、まだ我が家から馬車が出発していないから。二人一緒の馬車に乗ってきたけど、クリスティーナを置いて行くことだって出来るはずだ。我が家に任せればいいだけだから。

 それでもエドヴィンがクリスティーナを待つのは、間違いなくそこに愛があるからだと私は思う。


「行って、伝えてきなさい」

「はいっ」


 パタパタと走り出すクリスティーナの背中を見送った。どうか、うまくいきますように、と願いながら。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


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