41:本当に。
ボロクソ会議は、まさかの二時間を越えた。長い! 私のせいだけども。一回トイレ休憩挟んだよね。なんかごめんね。
「まぁ、意見は出揃ったかな?」
皆がこくりと頷いていたけど、半数くらいはちょっと不安そうな顔をしていた。
ここは、フォローというか、ちゃんと宣言してボロクソ会議を閉めないとよね?
「今日、色々と意見を言ってくれた人は特にだろうけど、今後に不安を感じていると思うのよ」
参加者たちを見回すと、スッと目を逸らされた。まぁ、そうなるよね。
「ユリウス殿下と婚約したから過去を精算しようとか、なかったことにしようとかじゃなく、ただただ私自身が、今までの私に違和感を覚えたのよ。最低だなって。だから、これからの私の行動で判断して欲しいの。それを見て、ついていけないってなったら、言ってちょうだい? 次の仕事先への紹介状を書くわ。お父様が」
「そこは私なんだ?」
お父様がクスクスと笑いながらそう言うと、お母様もふふっと笑い声を漏らしていた。
「ええ。私よりも、侯爵直筆の手紙のほうが有利でしょ?」
「ははは。まぁ、そういうことだ。皆、いいかな?」
「「ハッ!」」
お父様のその言葉に、全員が立ち上がり臣下の礼を取った。お父様の統率力って、凄いなと改めて思った。普段はちゃらんぽらんくらいの勢いなのに。
そして、ずっと黙っていたマクシミリアンは、真剣な目でお父様を見ていた。一言一句逃してはなるものかというほどの気迫で。
マクシミリアン――お兄様は、なんで戻ってきたのかしら? この国がいいと思い直した、とは聞いたけど。乙女ゲームの中でもそれ以上の説明はなかったのよね。
会議終了後、部屋に戻ってベッドに寝転がって目を瞑る。
ゲームなら気にしなかったことが、最近は気になる。
それは、この世界はゲームではないし、ゲームのキャラでもない。ちゃんと生きてるんだよね、皆。
攻略対象だって頭に【♡♡♡♡♡】とか浮いちゃってるユリウスたちも、そう。
キャラじゃなくて、生きていて、ちゃんと自分の信念で動いてる。
もうちょっと、ちゃんと皆と向き合わなきゃな、って反省。
「イザベル様、ドレスがシワになります」
「ごめーん。すぐ脱ぐわ」
ララに怒られて慌てて起き上がって脱ごうとしていたら、部屋にいたメイド二人がそわっとした空気を出していた。
「ん? どうしたの?」
「えっと……本当に怒らないんですね…………」
やっぱり、まだまだ疑心暗鬼らしい。
ここから本当の戦いになるのね。





