38:大広間に、全員集合。
お風呂を上がって髪を乾かしたりしている間に、大広間に使用人たちを集めることになった。
お父様への報告をララに頼んだんだけど、お父様がノリノリになって、全使用人を集めちゃえ! となったらしい。くっそあのお調子親父め…………。
「…………なんでマクシミリアンもいるの?」
「兄上と呼びなさ……呼べよ」
「オネェ言葉使えばいいじゃないですか」
寝てる間になんやかんや思い出したけど、オネェ言葉をガンガン使うキャラだったのよね、マクシミリアン。ヒロインを攻め落とすときだけ、男言葉。
「オネェ言葉ってなによ?」
「それそれ。淑女の言葉遣いみたいなやつ」
「……貴女、王太子妃になるんでしょ? 言葉遣い、それでいいの?」
マクシミリアンが残念な子を見るような目で見つめてくる。言葉遣いは、別にいいんじゃないのかな? ユリウスなんにも言わないし。
「甘いわね」
「そのくらいが平和でいいですよ。そんなことよりも、お父様が払ってくるれるのよね? 特別報酬」
「ん? いいよぉ。面白そうだし」
「それじゃ、全員に二日分のお給料追加でよろしくね」
使用人たちが一瞬ザワリとしたけれど、直ぐに静かになった。さすが侯爵家仕えね。
ちなみに二日分なのは、今日の仕事が滞って地味に大変になるからと、この会場を用意するために無駄な仕事を増やしたことで一日分。もう一日分は参加してくれたから。意見を言わなくても、それでいい。参加してくれることが大切なのだから。
「じゃ、みんな座ってちょうだい」
今回揃ったのは、おおよそ五十人。住み込みで休みの使用人も参加してくれていた。通いの使用人たちにはまた今度話を聞くことにした。
「今日は参加してくれてありがとうね。とりあえず、忌憚のない意見が欲しいのよね。そうね、『ボロクソ会議』としましょうかね」
「ぷふふふ。ボロクソかい。いいねぇ」
お父様がいやに楽しそうだ。まぁ、放置でいいのよね? お父様はただの野次馬&お財布役なだけだし。
「今までの私、イザベルの行動でまじで迷惑だった。こんな命令最低すぎるだろう。使用人の仕事を越えている。とかなんとか、なんでもいいのよ。ボロクソに言ってちょうだい。それを踏まえて、今の私ができる約束と改善策を考えるわ」
言いたいこと、ぶちまけてちょうだい? とお願いしたけど、やっぱり誰も進んでは意見を出さないというか、言った後にこっそりと処分されないかとかの疑惑もあるんだろうなぁ。皆とても言いづらそうにしていた。
「イザベル様、よろしいでしょうか?」
「ええ」
――――さぁ、始まるわよ。





