30:何度目かのやらかし。
エドヴィンがクリスティーナに必死に解説している間に、飲み物を作ることにした。
夜会時の王族専用の休憩室は、元々小さなサロンなので、飲み物なども各種用意されている。
ユリウスは紅茶にお砂糖二個ね。
ツェザールは紅茶にミルクと、シナモンパウダー。
アリスターはブラックコーヒー。
ラウルは牛乳でいいでしょ。
エドヴィンは冷たいコーヒーにチョコシロップとクリームよね。
クリスティーナは紅茶に輪切りのレモンと、お砂糖はたっぷりめ。
私は紅茶のストレート。
「はい、どうぞ」
トレーからそれぞれの前に飲み物を置くと、全員にジッと見られた。
「なによ? ありがとうくらい言いなさいよ?」
「いや、なんで俺だけ牛乳?」
「だって、家でずっと牛乳飲んでるじゃない」
「っ……外でというか、人前で飲んだことないっ!」
――――あれ?
これは、またやらかしたかも。あのゲームって好きなもの嫌いなものの情報がめちゃくちゃ多いのよね。それが時々ミニゲームとして出てくるから、つい覚えちゃってた。
「わぁ! 私の大好きな飲み物です!」
ニコニコとお礼を言うクリスティーナに癒されながら、全員の何か言いたそうな目は無視した。特にユリウスはなんか視線が煩かった。
「クリスティーナに理解して貰うのは諦める?」
「そうだな」
「申し訳ございません」
エドヴィンがしょんぼりとしていた。彼、確実にクリスティーナの保護者なのよね。恋愛対象たり得てるのかしら? って、あらいけない。さすがにこれは出歯亀ね。
「まぁ、まだまだ未確定な部分は多いが、イザベルは本当に前世の記憶があるようだと、みんなも信じざるを得ないようだな」
ユリウスがティーカップをテーブルに戻しながらそう言うと、アリスターが頷いた。
「そうですね。処刑も当国であれば状況と罪状によっては可能ですし」
「ふん。だが、私たちの人生が作り物で、決められたレールに乗せられているとは思いたくないがな」
ツェザールの言うことは最もだと思う。
「今、私たちがこうやって集まっているのも、私がみんなに攻略情報を送ってしまっているのも、物語にはないの」
「そうなのか?」
ラウルが妙に興味津々なのはなぜに?
「ええ。仮説は色々と立てれるのだけど、納得できない部分もあるのよね」
「時間はある。話せ」
「もう。偉そうに」
「ですから、ユリウス殿下がこの場で一番偉いお方です」
――――真面目か!
アリスターって、ほんと真面目眼鏡よね。
本日、短編『氷雪侯爵と仮面夫婦になったのでアイスクリームを作ります』を投稿してます。よかったら、というかぜひっ!





