29:フォローになってない。
皆でツェザール攻略の内容を聞いた。
▷▷▷食客ツェザール【♡♡♡♡】
・ツェザール・ラウテンバッハ
・隣国の侯爵子息
・半年前から食客として滞在している
・浅黒い肌の粘着ヤンデレキャラ
・個人的には情報過多すぎてノーセンキュー
・新年を祝う夜会で頭からワインを被ったヒロインに一目惚れ
・流れはアリスターとほぼ一緒
・あまりにも酷い虐めをするイザベルを、暗殺
・オトすなら…………? いやなんか、無理な気がする
・ヒロインがツェザールを選ぶんなら、関わらないだけでいい気がする
「以上だ。わからないのはヤンデレという言葉だな。粘着が何を指すのかは分からんが、非常に嫌な空気を感じている」
「まぁ! 粘着系のヤンデレですか! 素晴らしい設定ですね」
クリスティーナのキラキラした笑顔は癒されるけど、言っていることが恐ろしすぎる。
てかやばい。私そんなこと書いてたの!?
「君は知っているのか。説明を」
「はいっ! ヤンデレとはですね――――」
ぎぇぁおぁぁぁぁぁ! やめてぇ、キラキラした笑顔で全力でヤンデレについて説明しないで! 最近流行りの当て馬系とか言わないで! めちゃくちゃみんなの視線が痛いんだけど!? ツェザールに至っては、なんか黒くて深い笑みを浮かべてんだけど!? あれ? 大丈夫? 私この部屋から無事に家に戻れるの?
「――――という感じの設定が多いです!」
「ふぅん? ヤンデレ、ねぇ」
やばい。めちゃくちゃ、やばい気がする。ほらもぉ、笑みがヤンデレのソレなんだもんっ!
「ヤンデレ問題は横に置くとして、イザベルはどの流れになっても、処刑されるんだな?」
「ええ。見事な首ちょんぱだったわ」
あ、ちょんぱ言っちゃった。ま、いいか。
「そして、どれもクリスティーナ嬢を虐めているな? まぁ、分からなくはないが、イザベルがそこまで執拗な虐めをするだろうか?」
「個人的には、ないと思います」
ラウルが自信持って言ってるけど、正直なとこ自分ではやりそうだと思うんだけどね。めちゃくちゃワガママ放題だったじゃない。
「我がままと虐めは種類が違うだろうが」
「侍女たちに怖がられているわよ?」
「それだけの権力を持っているからな。調査したが、身体的にも精神的にも暴力はなかった。不機嫌になるとキーキー煩いのが原因だ。安心しろ」
「…………フォローになってないわ」
安心も出来ない。結局怖がられてるじゃないの。キーキー言ってたわね。でも最近は言ってないから、ちょっとずつ距離が近づいているのよ?
「イザベル様って鞭とか似合いそうですよね。表紙の絵はそういった系が良いのではないでしょうか?」
それぞれの文面を読みながら、クリスティーナがニコニコと笑って素っ頓狂なことを言い出した。
「クリス、あのね――――」
いまだ斜め上を走っていたクリスティーナに理解させるため、エドヴィンが必死に説明してくれた。
はぁ……喉、乾いたわね。





