24:夜会だよ、全員集合。
何がどうなったら、あの黒歴史的誤送がラブレターになるの? ツェザールの脳みそってなんか普通と違う作りなの!?
ギロリと睨み合うユリウスとツェザールに挟まれて、現実逃避していたら、目の端でチラチラと動く【ヒロイン】と【♡】を捉えてしまった。
目の前の二人もだけどさ、このポップアップウインドウみたいなの、邪魔よね? すぐ見つけられていいのはいいんだけど、一瞬ギョッとしちゃうのよね。
とりあえず、みんなの迷惑になるし、睨み合う二人の腕をガッと掴んでボールルームから引っ張り出した。
「そこらで勝手に喧嘩してて」
とりあえずは、放り出されてショックを受けているっぽいクリスティーナ【ヒロイン】に謝らないと。普通の令嬢はあんな風に扱われたら数日寝込んでしまう。
「バリエ伯爵令嬢、少しよろしいかしら?」
「はっ、はいっ!」
――――あら?
エドヴィンと何か話してたから、ショックを受けているのかと思っていたら、キラキラした目で見られてるわね?
「あとで謝りにこさせるけれど、ユリウスが酷いことしてごめんなさいね」
「いえっ! 光栄です!」
――――光栄?
なんか、会話のチャンネルがズレてる? いや、気のせいよね。
「グランフェルト侯爵令嬢さまっ、あのっ、私、これをもらってからずっとお話したくって!」
「ぎえっ……」
クリスティーナ【ヒロイン】がゴソゴソと隠しポケットから取り出したのは、あの封筒。ガッツリ我が家の印が入っているヤーツ。
「グランフェルト侯爵令嬢さまは、物語を書かれているのですか!? あのっ、【ヒロイン】と書いてありましたが、私に務まるでしょうか!? あっ! いえ、私が別に何かするのではないのでしょうけれど。登場人物としての使用許可なのですよね!? 大変光栄です! お返事を書こうとしてましたのに、エドヴィンに止められまして……」
あ、うん。いい子だわ。想定よりもゲームの中よりもいい子過ぎて、なんか浄化されそうになった。あと、この子の世話するエドヴィン大変そうだなぁ。
「クリスティーナ、と呼んでもよろしくて?」
「はい! もちろんですわ」
「ありがとう。私のことはイザベルでいいわよ。それでね――――」
クリスティーナがあまりにもいい子だから、上手いこと丸め込んで例の封筒を回収しようとしていた。
「イザベル、止めるんだ!」
「は?」
ガシッと二の腕を掴んできた相手を見ると、さっきまでいなかったはずのラウル【♡♡♡】だった。そして、その隣にはアリスター【♡♡】が。なぜ連れ立っている。
「夜会で騒ぎを起こすな」
お前が言うか!? レベルの発言をするユリウス【♡♡♡♡♡】と、その後をニヤニヤと歩いてくるツェザール【♡♡♡♡】…………って、え? 全員集合してない!?





