21:どえらいものを発見。
王城に到着して、王族専用の控室へ。
「お久しぶりでございます、両陛下におかれましては――――」
「堅苦しい挨拶はいいよ。イザベル嬢、よく来てくれたね」
ふわふわの白銀の髪を揺らし、金色の瞳を細めた優しいおじさまな笑顔の国王陛下、めちゃくちゃ落ち着く。お父様はちょっと軽めのおじさん手前な感じだけど、国王陛下は完璧なるイケオジ。ぶっちゃけ好みである。
ちなみに王妃陛下もガッツリ好みである。真っ青なストレートロングヘアーに真っ赤な瞳。ユリウスの髪は王妃譲りなんだろうなぁ。
「あら、そのドレスは、ユリウスが針子を急かして作らせていたものね?」
「母上っ!」
――――ほほう?
ドレスのプレゼントは恋人や婚約者への定番だけど、大慌てで注文したのか。別に新しいドレスはまだ何着かあるから平気だったのに。体裁を整えるのも大変ね。
「母上、そろそろ入場ですよ」
「ふふっ」
ツンとしたユリウスの言葉に、王妃陛下がクスリと笑いつつ、国王陛下と歩き出した。どうやら入場するらしい。
会場に続く扉を開けると、ざわめきがピタリと止み、招待客全員が臣下の礼をとった。凄い圧力というか、圧倒される感じがする。
そして、国王陛下がスッと左手を上げると、一斉に礼を止めて顔をこちらに向けてくる。ちょっと前まであっち側にいたのよね。
陛下たちに続いて入場し……なんだろう? 結婚式用の高砂みたいなやつ? の上に立つと、国王陛下がユリウスと私の紹介を始めた。
「我が息子であるユリウスの婚約者が決定した。イザベル・グランフェルト侯爵令嬢である」
会場からワッと歓声が沸き上がる。その中に真顔でこちらを見つめている宰相補佐アリスター【♡♡】を発見し、慌てて視線の方向を変えた。
なのに、だ。今度は近衛騎士ラウル【♡♡♡】を発見してしまった。
――――ぬぐぅぅぅ。あ?
会場内にどえらいもの発見。【♡】と【♡♡♡♡】と【ヒロイン】が人混みの中に浮いていた。ユリウスたちの頭の上に付いてるやつと同じものが。つまり、あそこらへんにいるってことだ。
「ダンスを始めよう」
ボールルームは大広間から扉続きの隣のホールだ。そっちに移動して、先ずは両陛下とユリウスと私でダンスすることになっている。
ユリウスと向かい合って立つ。左手を差し出してきたので右手を重ねると、グイッと引っ張られて、腰に手を回された。ホールドの我が強いのよね……。
「失敗するなよ?」
「うるさいわね」
そんなことよりも、その仏頂面をどうにかしてよと言うと、これが通常だと眉間に皺を寄せて言われた。だから、その顔よ! とつっこみたい。





