20:デレ判定でいいはず。
「は?」
「ででですから……こちらを…………」
「は?」
侍女が見せてきたのは、どデカいイエローダイヤのイヤリングと、イエローダイヤを細かな花のように組んだビブネックレスだった。しかもネックレスのセンターが上手いこと胸の谷間に差し掛かる。
ったく、どこで買ったのよこんなもの。ユリウスの瞳色じゃないの。
「ユリウス様からですので……」
――――ですよねぇ。
たぶんこれも着けろということだろう。ユリウスカラーとか死ぬほど嫌だけど、着けないとツンがツンツンしてツンツンツンツンされそうな予感がする。
「はぁもぉ。着けるわよ。お願いね」
「「はっ、はひぃぃ!」」
「あー、ごめん。貴女たちには怒ってないわよ。ユリウスよ、ユリウス」
こんな分かりやすい色のものを贈ってきて。絶対に嫌がらせ込みだわ。迎えに来たら文句言わなきゃ。
プンスコしているうちに夕方になり、ユリウスが迎えに来た。どうだ着てやったぞ! と玄関ホールで仁王立ちしたけど、横目でチラリと見ただけで、無視された。
「さっさと行くぞ」
「……感想っ!」
「あ? イザベルに似合うよう作らせたのだから、似合うのは当たり前だろうが。行くぞ」
デレなのツンなの。そのツンにどんな需要があるのよ? てか、ヒロインに攻略が難しいなら私には簡単説はナシね。なしなし。
もとより攻略したくはないんだけどさ。
まだか、早くしろ! と、うるさいユリウスの右肘の内側に左手を添える。一応エスコートはしてくれるらしい。
馬車に乗り込み、王城へ出発。
進行方向に背を向けて座っているユリウスを見つめる。眉間に皺が寄って、めちゃくちゃ不機嫌そうな顔。
「なんだ?」
じっと見ていたら、睨み返された。
「不機嫌そうだなと思って」
「別に不機嫌ではない」
「は? その顔で?」
つい言ってしまった。怒りそうだなぁと思ったけれど、反応は予想外のものだった。
「ふっ。そうやって正面切っていうのはお前くらいだよな」
「前から思ってたんですが、お前って言うな」
「くっ! ははははは! すまんすまん。イザベル」
ユリウスがお腹を抱えて笑い出したかと思ったら、ニコリと微笑んで、名前を呼ばれた。これはこれで気持ち悪い。
ちょっとドキリとしたのは秘密。
ってか、デレたわね? これは確実にデレよね?
このあとの夜会でユリウスはヒロインとイチャコラするのに、ここでデレ使っていいの? 疲れない?





