18:ツンツンな明日の予定。
明日は『秋の訪れを祝う会』ではあるものの、私たちの婚約発表の場でもあるらしい。
夕方にユリウスが迎えに来るので、それまでに準備しておくよう言われた。
そして、参加者がある程度集まったら、国王陛下たちに続いて私たちの入場。
その後、参加者たちの前で陛下に紹介してもらい、挨拶。
「陛下たちとともにファーストダンスもするからな?」
「承知しました」
あー、なんか思い出した。
このときにさぁ、ヒロインとユリウスがダンスするのよね。んで、ちょっと好感度上げのイベントが起こるんだけど、何だったっけなぁ?
あ、思い出した。
ヒロインがユリウスの足を踏んで慌てふためくんだった。ユリウスはいつもどおり素っ気ない態度で「この程度で謝るな」とか言うのよね。ダンス中はそれで終わるんだけど、その後に事件。
ドリンクを飲んでいたら、周りにユリウス崇拝者たるご令嬢たちが集まってきて、ボロクソ言われるのよね。家格が低いくせになんでイザベルの後にダンスしてるんだとか、陛下の次に大切な御身に怪我させたとかを。
あれくらいで怪我とかしないでしょうよ。ましてユリウス。一ミリも気にしてないわよ。
でもまぁ、気に入らない令嬢を陥れるには、丁度いい攻撃材料なのよね。
ボロクソに言われ口答えもできす、ヒロインが涙目でしょんぼりしながら会場から逃げ出しテラスに行くと、そこにはワイングラスを持ったユリウスが。
『あっ、申し訳ございません。お邪魔いたしました』
『なぜ謝る? ここは誰の場でもない。自由に使えば良いだろう』
『……は、はい』
ユリウスのツンツンな言葉とは裏腹に、垣間見える優しさに、溢れそうになっていた涙がこぼれ落ちた。
そこでユリウスがハッとなり、ヒロインに近付いて、頬に手を添えて親指で涙を拭う――――って、スチルあったわぁ。
ぶっちゃけ、ユリウスからは考えられないほどに甘い展開よね。ちょっと意味わかんないわ。
でも、そこからヒロインの恋心は加速する。
そしてその現場を会場内から見る黒い影……というかイザベル。虐めもここから始まる。
ユリウスルートはコレなんだけど、ラウルの場合はちょっと違ったと思う。たぶんアリスターと一緒で、新年を祝う夜会の方だったと思う。
明日、ヒロインがどういう動きをするかで、私の行動も決めなきゃよね?
「――――からな? おい、聞いているのか?」
「へ?」
どうやらユリウスが何やら明日の説明をしていたらしい。
「あら、ごめんなさい。全く聞いていなかったわ」
「…………お前なぁ。もういい。帰る」
「はいはい。気をつけて帰ってね」
「……気持ち悪い」
いや、普通に気遣っただけなのに。なんでよ?
ほんとユリウスって、ツンツンツンツン面倒ね。
そもそもこんな打ち合わせとか、手紙でも良かったでしょ? 荷物は届けさせればいいだけだし。ユリウスが考えてることって、わけ分かんないわね。





