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空に夢を持つ者のお話

三神空太 いつも気だるげな高校生。最近変な夢を見るようになった。夢の彼女は一体……?


月ノ宮兎咲美 気の強いウサギの様な女の子。三神とは幼なじみで、困った時はお互いに頼る相棒の様な関係。男勝りな性格で、強い(物理)。最近いたずら電話に悩まされている。


??? 空太の知り合いを名乗る謎の美少女。彼女は一体何者なのか?

 空には雲があり、目が痛くなる様な蒼色を幾分か和らげさせてくれた。緑が一面に広がるその場所で俺は目を覚ますと、隣に座る■■■■■がそれに気付き、俺に語り始めた。


「空にはさ、夢があるんだ」


──夢か


 いきなり何を言い出すのかと思えば……

 俺は隣の■■■■■をジト目で見詰めた。

 そんな■■■■■は俺の顔を覗くとにぃ、と悪戯っぽく笑った。

 

「誰にも届かない夢が」


 そう言って■■■■■は空に手を伸ばした。

 短く切り揃えた髪がゆらゆらとそよぐ風に凪がされる。


「そこに見たこともない夢があるから、皆手を伸ばすんだ」


 君もそうだろう? と■■■■■は俺の目を見て言外にそう伝える。

 俺はギラギラと照らす太陽の眩しさを睨み付けながら。


──生憎手を伸ばす様な夢は俺にはない


 そう言うと、■■■■■は苦笑し


「知ってるさ、君は無理だと言われても、諦めない、諦められない、そういうやつだ。ならいっそのこと行ってしまえ、僕は君を止めない。だから……」 


 その言葉を基として空間が崩れていく。■■■■■は哀しそうな目をしている。まるで、これから始まる何かを察したかのように。空は赤く染まっていた。

 俺の口は慌てて言葉を紡ごうとする。


 待て、お前は──


 お互いの言葉は続くことなく、意識はそこでプツンと途切れた。



























































 ■■■■■は色を失なった世界で静かに最後の言葉を紡ぐ。


「また会おう親愛なる友よ」


◆◆◆◆◆◆


「──はっ」


 変な夢を見た。

 俺こと三神空太(みかみそらた)は今日も絶不調だ。


あ゛ー(あー)今日も晴れがぁ゛ー(今日も晴れかー)


 教室の窓辺から照りつける太陽の光が鬱陶しく感じ、俺は外から顔を背けた。次に蛍光灯の光が遮られたかと思うと、不機嫌そうな少女の目がこちらを覗いていた。


「朝から何辛気臭い声出してんのよ」



 そう言う彼女は月ノ宮兎咲美(つきのみやうさみ)。俺の幼なじみだ。

 いつもと変わらぬ鋭い目線にいつもと違う隈と疲労感を漂わせながら、はぁ、と溜め息を吐くと隣の席に座った。今日は2割増しで言葉がキツイ。何か嫌な事でもあったのか? どのみち辛気臭いのは彼女も同様変わらないようだ。本当になんで今日学校来ちゃったんだろうね?


「朝からため息なんか吐いてどうした?」


 兎咲美は俺の顔をジッと見詰めると、再び溜め息を吐き経緯を怒濤の勢いで話し始めた。おい、今何で俺の顔を見て溜め息を吐いた?


「最近私の家にいたずら電話が掛かってくるようになって、それも一度や二度じゃなく、朝も昼も真夜中でも遠慮なく掛けてきて……ふざけんじゃないわよっ!? 煩くておちおち眠れやしないじゃない!! しかも酷いときは1日に数百回以上も掛かってくるのよっ!?」


 相当ムカついていた様で、酷く怒り心頭な様子で机をダンダン叩く兎咲美。こんなときに不謹慎だが……怒ったウサギっぽい。


「どうどう、落ち着けウサギ。兎に角その事を警察に相談したか?」


「誰がウサギだっ! したわよ、流石に頻度が多いから警察も相談に乗ってくれるって言ってた……けど犯人が判らないじゃどうしようもないじゃないっ!」


 兎咲美はそう言って悔しそうに歯をギリッと噛み締め、再び机をダンダンする。そうか、ウナギの方が良かったか──すみませんすみませんっ!? ちゃんと聴いてますから叩かないで下さいっ!! 俺はお怒りウサギ……違った違った、兎咲美を宥めながら改めて相談に乗る。


「犯人が判らない? どういうことだ」


「それが、毎回番号が違うから特定のしようがないのよ……」


 どうすればいいの……と俯きながらスカートの裾をぎゅっと握り締める兎咲美。         

 俺はチラッと窓の外に目を向けると、ちらほらと登校してくる()()()姿()()学生達の姿が見えた。はぁ……やっぱりな。そして俺は再び視線を机をだんだん言わせる兎咲美に戻し、口を開く。


「捜査に協力してくれた電話会社の通信記録にも載ってないって言われるし……本当何なのよもうっ!?」


 強気な兎咲美が珍しく涙目でそう語った。だから机だんだんすな。しかし、これは大分追い詰められてるな。ふむ……


「着信拒否にはしたのか?」


「したんだけどね……それも毎回番号が違うから対処のしようがないのよ……」


「うわぁ……」


 何なの毎回電話番号変えるとかいう全く有り難くもないその努力は? はっきり言って空太さんドン引きですわ。俺はそのしつこすぎる犯人の執念に戦慄した。

 それにしても今の兎咲美はいつものぶっとい精神からは考えられない程に疲弊しているな。気付いたら遅かった。なんて段階に陥る前に解決しないとな。


「はっきり言って八方塞がり、無理を承知でお願いっ! 空太助けてっ!!」


「よっし、困ってる幼なじみの為に一丁一肌脱ぎますかー」


 その目は泣いた後か、若干赤くなっていた。


「な、泣いてないわよっ!?」


「まあまあ、ここは頼りになる空太さんに任せなさい」


「う、うぅ……」


「それでさ、一つ言いたい事があるんだ」


「な、なに?」


「気付かないか? もう予令が近いのに俺たち以外誰も登校してこないことに」


「……はっ!? まさかっ!!」


「そう、そのまさかだ」


「まって、じゃあ今日学校に来てるのって……」


「そう、俺たちだけだっ! しかも今日は創立記念日、まさか間違える日まで同じとは凄い偶然だなっ!」


「な、なんですってーーーーー!!!?」


◆◆◆◆◆◆


 真夜中の兎咲美宅にて。


「だ、誰よあんたっ!?」


「やっとパスが繋がったようだね。本当ベルは仕事が雑なんだから」


「君は……ああ、彼の」


「何、何なの!?」


「安心して、僕は君に危害を加えたりしないし、襲ったりもしない。そもそもサタン君の友人を襲ったりしないよ」


「サタン……?」


「君なら知っている筈だよ。昨日もサタン君と会っていたじゃないか。ああ、そうか、そうだったね。彼のこの世界での名前は──」



「──()()()()


 ね、知ってるだろう?


「僕の名は──」

うー、にゃー、うー、にゃー、うー、にゃー、

レッツにゃー!


空のお話が書きたくて途中で放り投げましたにゃ。(中身が空的な意味で)

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