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噂のSランク冒険者の話

 登場人物


 少年……毎日を気ままに過ごしているDランク冒険者。気が向いた時にだけ依頼を請ける。


 受付嬢の少女……少年の幼なじみで若くしてギルドマスターにその才を見出だされ受付嬢となった実は凄い少女。依頼を請けようとしない幼なじみにどう塩漬け依頼を請けさせるかを毎日考えている。


 謎の優男……冒険者ギルドにやってきた金髪碧眼のビジュアル系の謎の男。こいつは一体誰なんだー(棒読み)


 血気盛んな男……誰にでも喧嘩を吹っ掛ける傍迷惑な男。高等魔術を繰り出したり、なまじ高い実力がめんどくさい。因みにランクはB


 冒険者ギルドのマスター……壮年の渋銀な男。とある事件を解決したことでギルドマスターに抜擢された凄い人。その実力と、ギルド経営をそつなくこなすカリスマに、多くの冒険者が尊敬している存在。最近彼の自宅に何者かが入っていると噂されている。

 その冒険者ギルドには一つ有名な噂があった。


「ねえ、知ってる?」


「ああ、知ってる。あの噂だろ?」


「そうそう、このギルドに誰も姿を見たことのない──」


「──Sランク冒険者が居るって噂」


 曰く、その冒険者は誰もその姿を見た者は居ない。


 曰く、その冒険者は知らぬ間に特級依頼を消化している。


 曰く、その冒険者はどのような依頼も成功させる。


 曰く、その冒険者はSランク冒険者である。と


「でもこの噂ガセじゃないのか?」


「それがさ、そうとも言い切れないのよ。……実は、貯まってた塩漬け依頼があるじゃない?」


「ああ、依頼内容が面倒で誰も請けなくなったやつか」


「それが何と、いつの間にか無くなってたのよ」


「誰が剥がしたとかじゃなくて?」


「依頼用紙はギルドで管理してるから、剥がすのは同じ受付嬢なんだけど、誰も剥がした覚えはないって……」


「なるほど……じゃあ一体誰が剥がしたんだ?」


「それがね、何と犯人はギルドマスターだったのよ」


「なんだ、ギルマスが片付けたのかよ」


「そう、それだけなら『そっかー』で済むんだけどね」


「なんか驚くことでもあったのか?」


「うん、その塩漬け依頼、片付けたんじゃなくて請けさせたのよ」


「請けさせたって誰に?」


「それは今の流れからして……解るでしょ?」


「まさか噂のSランク冒険者かっ!」


「そうそう、私もそれを聞いたときびっくりしちゃって、(本当に居たんだっ!?)って」


「で、そのSランク冒険者が誰だか解ったのかよ?」


「それがギルドマスターが頑なに教えてくれなくて……」


「なんだそれ、ケチだなーっ!」


「ギルドマスターが言うには『好奇心は身を滅ぼすぞ』だそうよ」


「ちぇっ、つまんねー、暇だし依頼でも請けるかー」


「あんたね……まあ、気になるのは同意するけど」


「それで、良い依頼ねぇか?」


「あるわよ、どぶ掃除って言うの何だけど……」


「思いっきり塩漬け依頼を押し付けようとしてんじゃねーかっ!?」


「てへっ、バレた?」


「お前なぁ──「この依頼請けてもいいかな?」


「え、あ、はいっ!」


「兄ちゃんマジでこの依頼請けるつもりか? 見たところ腕は立つみたいだけど、こんな依頼請けるヤツはよっほどの物好きしか、お人好し位だぜ?」


「それが私の仕事ですから」


「ふーん、そっか、なら止めないけど」


「あと、これとこれとこれを……」


「毒牙の森の竜討伐に、アルザード雪山の測量、飛竜の世話一通り、全部塩漬け依頼だ……」


「この兄ちゃん物好きというか、ただの変人なんじゃねーか?」


「では、受諾印をお願い致します」


「はい、それで一応注意しておきますよ? 依頼は途中で失敗したり投げ出したりすれば罰金とギルドの点数が引かれ、依頼主からの印象も悪くなるので、気を付けて下さいねっ!」


「重々承知しております──「おいおい、コイツこんな依頼請けようとしてるぜwww」


「うっわ、出た」


「出たとは失礼なっ! おいっ! てめぇが本当にその依頼を達成出来るかどうか俺が判断してやる。感謝しなっ!」


「ギルド内での戦闘行為は禁止されていますっ!」


「たぁ~、固いこと言うなってっ! 死にはしねぇから……な?」


「私に闘う意思はありませんが?」


「なら棒立ちのままぼこぼこにされなぁ!」




 男は剣を抜き目の前の優男の胴体に叩きつけた。





 しかし、それをひょいっと避けると





「では受諾印を」






 依頼用紙を受付嬢に提示した。






「無視するんじゃねええええ!!!!」





 男は受け付けに向かう優男に対して背後から剣を振り下ろす。





「なっ!?」





 しかし、優男は背後の男に目もくれず、片手で剣を白羽取りした。






「で、では、印鑑を押すに当たって、ギルドカードの提示をお願いします」





 その光景に受付嬢も思わずうわぁ……という言葉が漏れた。






「くっ!? こんなに苔にされたのは初めてだz──「ではこれでお願いします」





 話すら聞いていないどころか、存在を気にも留めない様子の優男に何度目かの沸点が爆発した男。

 何やら懐から瓶を取り出すと、それを飲み、何かを呟き出した。





「あいつ超級魔力術式を発動するつもりだぞっ!?」


「もう、なんでこんなことに……はい、これで受諾完了です」


「ありがとうございます。では、これで失礼致します」



 優男が振り向くと、そこには先程の男が術式を発動させていた。




「死ねええええええええええ!!!!! 炎天(プロミネンス)!!!」




 一本1000万ゴールドは下らないという、エルフ特製の超高級な魔力活性化量と魔法の威力を向上させる『魔力活性化ポーション』を服用した男は、撃てば古代竜すら討てる程に威力の上昇した、ミスリルすら一瞬で蒸発するほどの超高温の超級魔力術式は──




極零度(コキュートス)





──一瞬で鎮火した。



「ぽか……」


 魂が抜けた様に棒立ちになる男。


「おいおい、これは一体どういうことだっ!?」


「ギルドマスター!」


「ってキサラギ何でお前がここに居るっ!!」


「それが、生活費が足りなくなってしまって……」


「月末まで待てと言っただろうっ! 依頼も直接請けに来るなと何度……」


「あの……ギルマスこいつは?」


「ね、ねぇ、さっき動転して気付かなかったけど、これ見て……」


「は、はぁ!? Sランクって書いてあるぞっ!!」


「塩漬け依頼、ギルドマスターと顔見知り、そしてSランク……ってまさかっ!?」


「ギルマスこの人って噂の……?」


「はあああああああああああああああ……そうだよっ、コイツがウチのSランク冒険者“キサラギ”だっ!」


「「ええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!?」」 


 おわち

戦闘シーンとか良く解んないにゃ(=゜ω゜=)ノシノシ!

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