剣(の)聖(女)のお話
魔法が発達した世界に剣一つで魔法をぶったぎり、無双するお話を書きたくて書きました。
最初は傭兵ものの男もののつもりが性癖が漏れてしまったのじゃ(てへっ♪)
「お久しぶりです。お、に、い、さ、まっ!」
次の瞬間にはティアナはカナタの目の前にいた。そしてカナタの身体が振らついたかと思うと──
ブシャー!!! と首の無くなった身体から噴水のように血が飛び出ていた。
「ちょっ、ティアナ何してんの……!?」
メゾットはティアナの予想外の行動に顔を蒼くしていた。いきなり兄に斬りかかるなんて誰だって正気を疑うだろう。しかも躊躇なく首を飛ばすなんて、怖い……
「いきなり首を斬り飛ばすなんてヒドイじゃないかティアナー?」
「へ……? あんた死んでたんじゃ!?」
「これが噂に名高い幻想魔術の最高峰の使い手と言われる、カナタ・S・エリザベートですか……」
カナタがパチンと指を鳴らすと事切れていたカナタの幻影が綺麗さっぱり消え去った。
「御兄様御元気そうで何よりです」
「さっき何処かの可愛い妹に殺されそうになったけどねー」
「あらあら、それは大変でしたね」
「あははー」
「うふふ……」
「何だこの修羅場」
「エリザベート家の兄妹は仲が良いと耳にしたのですが……」
「誰がこんなヤツと!? ……ハッ!?」
「素のティアナも可愛いなー!」
ギリッと龍でも殺せそうな視線で兄を睨み付けるティアナ。
学校での聖女の様な姿は微塵も存在せず、ただ怨敵に遭った修羅の様なティアナの姿がそこにはあった。
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メイジは貴族の特権だと人は言う。
しかし私は魔法が使えない。
だから剣を握った。
「剣を使いたい? 止めとけ止めとけ! 剣士なんてただの的だぞ!」
そう剣なんて兵士が使うモノだなんて兄上にはバカにされたけど。
私には性に合ったようで、勉強もそっちのけで剣の道へと呑めり込んでいった。
私は齢六歳にして、短剣ながらも剣を振っていた。
齢七歳、短剣から普通剣に変えても振れるようになった。
一日百回の素振り。山を一往復。腹筋、腕立て伏せ、スクワット等の一通りの筋トレ各百回。が私の毎日していることだ。
齢八歳、全てのに置いて、剣を背負って出来るようになる。
齢九歳、普通剣を大剣に変えても振れるようになった。
年齢が上がるにつれて、素振りは百回から一万回へ。山を一往復から、剣を背負ったまま百往復だってできるようになった。
剣の腕前も、最初の頃は
そんなある日、魔物を狩っていた私は、森の奥で流れ人を見付けた。
その流れ人は剣を振るっていた。
惚れ惚れするような太刀筋だった。
俺はそれを言葉もなく見惚れていた。
そして無意識に足を出したのが行けなかった。
ガサッと音を立ててしまった。
すると次の瞬間。
「何者だ」
いつの間にか私の目の前にいた流れ人。
気付けば首元に剣を添えられていた。
何て速さだろうか。
足踏みすら見えなかった。
この人しか居ない。
俺は頭を下げた。
目の前の流れ人は困ったような感じをしている。
ふむ、足りなかったか。
土下座した。
頭を上げさせられた。
ダメだったようだ。
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そして私は齢十歳となった。
父上から突然
「学校へ行きなさい」
と言われた。私はまだまだ剣を降っていたいのですが……
兄上には女装させられますし。
今日は厄日ですね。
そして入学当日
「なあ、知ってるかー?」
「何がだ?」
「今年"魔王"が入学してくるって専らの噂だぜ」
「魔王か、あまり良い噂は聴かないな」
「それと」
「ん?」
「今年は"魔無し"も入学してくるらしい」
「魔無しが!?」
「噂ではスゲェー美少女で、剣を持って──「少し宜しいでしょうか?」
「あ……あ!?」
「どうした?」
「あ、あ、あ、」
「えーと、あのー?」
「ウチの連れが申し訳ない。何かご用かなお嬢さん?」
「はい、お恥ずかしながら迷ってしまって……学園長様はどちらに居られるかご存知ありませんか?」
「学園長なら荘園の中の建物にいるよ、ほらあそこの」
「あそこですね、有り難う御座います」
「いえいえ、こっちこそウチの連れが迷惑掛けたね」
「ふふっ、大丈夫ですよ。ではまた」
「気を付けてねー」
ふりふりと手を振って、剣を持った少女を見送ったゼラオラ。
隣には未だに機能停止している親友の姿が
「あ、あ、あ、」
「おい、メゾットしっかりしたまえ」
「あの娘だ」
「何だって?」
「あの娘が例の"魔無し"なんだって!!」
「あの娘がね……」
あんな優しそうな娘が"魔無し"だなんて、不安だな……
「なあゼラオラ」
「どうしたんだい親友、そんなに真剣な顔をして」
「俺はあの娘に惚れた」
「ごめん、良く聞こえなかった、もう一度言ってくれないか?」
「俺はあの娘に一目惚れしたっ!!!」
「はぁ……メゾット、君ってヤツは」
「一度病院で見てもらいたまえ」
彼女は男です(矛盾)
実際どっちにするか決めかねてる。
イメージとしてはプリンセス・プリンシパルのプリンセス。
part1
プリンセス「わたしを剣聖にしてほしいの」
ちせ「わたしに任せろ!」
ベアトリス「姫様!?」
アンジェ「プリンセス!?」
ドロシー「お前ら真面目にスパイしろwww」
part2
アンジェ「私と一緒に逃げよう? ルートは決めてある。カサブランカに白い家を用意したの。そこに二人で…」
プリンセス「アンジェ、私、剣聖になりたいの」
アンジェ「もしかして、あの時の約束……」
ちせ「ならばっ、私が教えてしんぜよう! (シャキーン!)」
プリンセス「ちせさん!」
アンジェ「いいえ、ダメよ、プリンセスに危ないことはさせられない」
プリンセス「アンジェ、ごめんなさい。私、頑固な女だったの」
ちせ「アンジェよ、護身術を教えるという名目なら問題ないであろう?」
プリンセス「アンジェ……お願い(うるうる)」
アンジェ「……好きにすればいい」
プリンセス「ぱぁー、やった! ありがとうアンジェ!」
アンジェ「ぷいっ、別に、必要と感じただけよ」
ちせ「ツンデレじゃな」
アンジェ「う、うるさい……」