想像力が力となる世界。の話
こんばんわ、寝転ぶだけですっごい埃の取れるネコです。こっちの投稿は久し振りにゃん。
想像力が全ての世界。そこに想像力はあるが魔力が皆無の少年がいたらどうなるのか? 考えてみましょう……
『想像力が強い者が生き残る』
想像力が力に直結する世界。そんな世界に想像力は人一倍強い少年と、想像力は皆無だが規格外の魔力を持つ少女が出会った。
少女は今死ぬところであった。生まれつき魔力が多い体質なのだが、如何せん想像力が皆無であった。そのせいで力を使う水は豊富にあれど、それを出す蛇口が閉まったままという宝の持ち腐れの状態であった。
そのせいで今も──
「ガハハハハ!!! ガハハハハ!!! 愉快愉快!! こんな容易く巨大な力を奪えるとはなんと幸運なり!!」
「いやぁ……やめて……」
「それだけの力を持っていながら、まともに使うことも出来ぬとは正に無用の長物よ!!!」
「こんな力欲しくなかった……私は普通の女の子でよかった……」
「うるせーな、人が寝てる横でワイワイガヤガヤ騒いでんじゃねぇ」
「貴様……くっ、クハハハハ!!! これは失笑!!! まさか貴様魔無しか!!!」
「うんや、医者が言うには無いと誤認する位の微小な魔力値だとよ」
「そんなもの無いも同じよ!!!」
「果たしてそうかな?」
「……へ?」
今……何が起こったの? あの男は足を抑えて蹲っている。まるで足が魔獣に喰われたみたいな傷口だ。
「知ってるだろ? この世界は想像力の強い者が支配するんだって」
「まさか貴様!?」
「そう、これが俺の想像力だ」
想像力が力となる世界で圧倒的な魔力を持つものの、想像力が皆無の少女と無限の想像力を持つものの、魔力が塵以下の少年が出逢うとき──この出逢いが世界に何をもたらすのか……それを知る者はまだ誰もいない。